中国のEV市場、電池交換式は主役になるか
新興企業の蔚来汽車が発売、大手部品メーカーが支援
昨年12月に電池交換式の電気自動車「E38」を発売した中国の蔚来汽車。蔚来汽車のブランド名は「NIO」で、2014年に設立された中国のスタートアップ企業だ。
「E38」は7人乗りのスポーツ多目的車(SUV)で、ボデーとシャシー部材にアルミニウムを用いて軽量としたのが特徴。前後軸ともに電動駆動システムを標準装備しており、カナダの大手自動車部品メーカーであるマグナが技術支援している。
1回の充電で約500キロメートルの走行が可能で、中国の顧客は44万8000元(約760万円)で購入できる。これに対してテスラの「モデルX」は83万6000元、ドイツ・BMWのガソリン車「X5」は59万6300元かかり、競合モデルを価格面で脅かしている。
中国では新エネルギー車へのインセンティブが導入されて以降、蔚来を含む複数の新興企業が誕生した。マグナなど実力あるサプライヤーのサポートも重要になっている。マグナは「E38」に対し、アルミニウム製フロントサブフレーム、電動駆動システムに用いる変速機、ドアラッチなどを供給している。
マグナのスワミ・コタギリCTO最高技術責任者) は、「NIOのように新しい自動車メーカーの新しい車両ロンチをサポートすることは、マグナにとって理想的なビジネスケース」だと話す。
そんな中、パナソニックも中国の現地企業にEVの生産を支援する提案を始めた。部品単位だけではなく、EVの生産を丸ごと支援することも想定する。その場合、津賀一宏社長は「OEM(相手先ブランド)メーカーの形になる」と話す。
中国では車メーカー以外の事業者も、EVの生産やシェアリングサービスなどへ参入機会をうかがっている。パナソニックは電子制御ユニット、コックピット機器などEV用部品を広く手がけ、実証用の完成車も製作している。現地企業と連携を広げ、関連事業の創出を狙っている。
蔚来は2020年までに中国でバッテリー交換ステーション1100カ所を整備し、「パワー・モバイル」サービス車約1200台を保有する計画。同社はさらに、ロードサービスなど他の無料サービスも提供する方針。創業者の李斌氏は「当社の目標は充電を給油よりも手軽なものにすることだ」と語る。
中国のEV市場に新しい波が押し寄せようとしている。
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「E38」は7人乗りのスポーツ多目的車(SUV)で、ボデーとシャシー部材にアルミニウムを用いて軽量としたのが特徴。前後軸ともに電動駆動システムを標準装備しており、カナダの大手自動車部品メーカーであるマグナが技術支援している。
1回の充電で約500キロメートルの走行が可能で、中国の顧客は44万8000元(約760万円)で購入できる。これに対してテスラの「モデルX」は83万6000元、ドイツ・BMWのガソリン車「X5」は59万6300元かかり、競合モデルを価格面で脅かしている。
中国では新エネルギー車へのインセンティブが導入されて以降、蔚来を含む複数の新興企業が誕生した。マグナなど実力あるサプライヤーのサポートも重要になっている。マグナは「E38」に対し、アルミニウム製フロントサブフレーム、電動駆動システムに用いる変速機、ドアラッチなどを供給している。
マグナのスワミ・コタギリCTO最高技術責任者) は、「NIOのように新しい自動車メーカーの新しい車両ロンチをサポートすることは、マグナにとって理想的なビジネスケース」だと話す。
そんな中、パナソニックも中国の現地企業にEVの生産を支援する提案を始めた。部品単位だけではなく、EVの生産を丸ごと支援することも想定する。その場合、津賀一宏社長は「OEM(相手先ブランド)メーカーの形になる」と話す。
中国では車メーカー以外の事業者も、EVの生産やシェアリングサービスなどへ参入機会をうかがっている。パナソニックは電子制御ユニット、コックピット機器などEV用部品を広く手がけ、実証用の完成車も製作している。現地企業と連携を広げ、関連事業の創出を狙っている。
蔚来は2020年までに中国でバッテリー交換ステーション1100カ所を整備し、「パワー・モバイル」サービス車約1200台を保有する計画。同社はさらに、ロードサービスなど他の無料サービスも提供する方針。創業者の李斌氏は「当社の目標は充電を給油よりも手軽なものにすることだ」と語る。
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