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タモさんも認めるハイサワーの“汎用力”は1枚のポスターから

博水社が35年間続けてきた「飲みたい」瞬間を作り出す作業
タモさんも認めるハイサワーの“汎用力”は1枚のポスターから

ホームページではめんつゆをハイサワーで割るなど、具体的な料理活用術を紹介している((C)鈴木俊介)

 博水社(東京都目黒区)は、酒の割材となる炭酸飲料水「ハイサワー」を35年前に発売。水やお湯以外で焼酎などを割る習慣のなかった日本に新たな飲酒の楽しみ方を提案した。現在までの累計売上数は15億杯以上。ラインアップは約30種類に増えた。酒を割って飲む以外の活用法の提案や独創的な宣伝など、販売促進に力を入れている。

 ノンアルコール拡大へ「めんつゆハイサワー割」はいかが?
 割材以外としての使用を提案し、顧客拡大を狙う。ハイサワーはノンアルコール飲料のため、子供の食べる料理にも安心して使える。そこで、同社ホームページではハイサワーの料理活用術を紹介している。具体的には、めんつゆのハイサワー割やハイサワーみつ豆など。レモンと炭酸の爽快な後味で、いつもと違う風味が味わえる。

 また、普段割材を使わずに酒を飲む人も客層に取り込む。そのまま飲んでもサワーなどを飲んでいる気分が味わえるという利点を生かし、ハイサワーを「休肝日の飲み物」として提案している。イメージを定着させるため、6月に「ハイサワーで酔ったふり!休肝日おもしろ川柳」がテーマの川柳を募集した。7月に大賞を発表。受賞者には受賞作品の川柳をラベルに印刷したハイサワーを贈呈する。

「美尻カレンダー」が象徴する人の興味を引き出すマインド


 独創的な宣伝で「飲んでみたい」という興味を引き出す活動も行っている。2010年から女性の尻にハイサワーの文字を記した写真を載せた「美尻カレンダー」を販売。現在グラスやタオルなど、グッズの幅を広げている。

 美尻カレンダーの制作は、09年に深夜バラエティー番組「タモリ倶楽部」でハイサワーが取り上げられたのがきっかけ。田中社長は「(司会の)タモリさんの『泡盛のハイサワー割がおいしい』との発言で放送翌日には沖縄から注文が相次いだ。番組に敬意を表し、オープニング映像にちなんだ美尻カレンダーを作った」と当時を振り返る。

 居酒屋の小さな短冊ポスターから始まった拡散の歴史
 元をたどると、ハイサワーの宣伝は小さな短冊形ポスターから始まった。田中社長は「お客さまは居酒屋の壁に貼られた小さなポスターを見て『これはなんだ』と興味を持つ。たった1枚のポスターでも飲んでみようという気にさせられる。現在も人が興味をもつ瞬間を作り出すようにしている」と笑顔をみせる。

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)にも着目している。インターネット短文投稿サイト「ツイッター」でレモンサワーに興味を持っているつぶやきを見つけると、「黄金比は焼酎とハイサワー1対3です」などと返信。SNS上の『口コミ』で知名度を上げている。

 かつて同社の社員は、行きつけのスナックなどにハイサワーを持参していた。焼酎を割って飲むところを客や店の従業員にみせ、実際に飲んでもらい、店同士、客同士の『口コミ』で販売を促進していた。時代が変わってもインターネット上で『口コミ』を利用。販売促進につなげる
 (文=門脇花梨)
日刊工業新聞2015年06月26日 モノづくり面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
ソーシャルやビッグデータ時代にいろいろなアドテクやマーケティングが出ているが、根本の部分で人の興味を引くという行為はまった変わっていない。

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