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ドメスティックな生保が海外人材の育成を急ぐのはなぜ?

M&Aなどで海外との商談増える
ドメスティックな生保が海外人材の育成を急ぐのはなぜ?

明治安田生命保険の若手社員向けグローバル研修

 大手生命保険各社は海外で活躍できる国内人材の育成を加速している。国内産業のイメージが強い生保だが、最近はM&A(合併・買収)や出資を通じ海外で事業を拡大。運用や商品供給で海外との連携が増えるなか、他国勤務や外国人と商談ができる人材の確保が急務となっており、各社は語学教育や海外派遣の機会を増やしている。

 日本生命保険は、国内外で活躍できる経営人材の育成を目的とした教育プログラムを2017年度から開始。約10人を選抜し、語学研修などを経たうえで海外現地法人に2年間派遣する。

 従来から取り組んでいる若手社員を対象にした海外インターンも拡大。17年度からは三井生命保険やニッセイアセットマネジメントなど関連会社の若手社員も対象に加えた。9月にインドネシアに派遣された日生の若手社員は「日本のやり方を押しつけるだけでなく、現地のビジネスに合わせて柔軟に変化させることが重要と感じた」と気づきを語る。

 第一生命ホールディングスは管理職や若年層など階層別の海外派遣制度を用意。若年層向けでは17年度中に50人の海外派遣を計画する。海外からのインターン受け入れや海外グループCEO(最高経営責任者)による講演会も実施し、国内人材と海外人材の交流を深めている。

 明治安田生命保険は海外で経営管理を担う人材の育成を強化。海外人材は4月時点で318人だが20年に450人まで増やす。住友生命保険も語学教育プログラムや海外派遣事業を充実させている。生命保険は本来ドメスティックな産業だが、大手生保は日本の人口減少を見据え海外での事業拡大に注力している。
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
監督官庁である金融庁が海外買収後の統合プロセスや海外事業を担う人材の育成をチェックする方針を示すなか、海外人材育成の重要性はさらに高まっていきそうだ。 (日刊工業新聞経済部・鳥羽田継之)

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