「紙おむつ」海外で売れてます!製紙各社が現地拠点の新増設に動く

大王製紙は中国で大人用紙おむつ投入、王子HDはマレーシアやインドネシアで現地資本と提携

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王子のベビー用紙おむつ、パンツタイプ
 国内紙市場の成熟を受け、製紙大手各社が加工品の紙おむつで海外展開を加速している。国内では布おむつを席巻し、高齢化の進展で大人用が“伸びしろ”になっている状況だが、人口が増え続ける中国や東南アジア諸国では購買力も高まり、ベビー用が先行して目覚ましい普及をみせる。日本からの輸出拡大に加え、現地生産拠点の増強や新工場立地も進む。

 大王製紙は紙おむつを中心とするH&PC(ホーム&パーソナルケア)事業で、2017年度に売上高2000億円(14年度実績1468億円)を目指す中期経営計画(15―17年度)を策定した。全社の売上高目標5000億円(14年度実績4502億円)に対し、40%の事業ウエートになる。14年度の売上高に占める事業比率は32・6%で、海外展開を原動力に3年間で7・4ポイント高める計画だ。

 同事業部門の生産子会社が16年1月、いわき新工場(福島県いわき市)を稼働して供給力を高めるほか、既存の中国とタイのベビー用紙おむつ工場で能力増強を進め、インドネシアでは12月の完成を目指して建設中。インドネシアはH&PC事業3番目の現地生産国になる。輸出はロシア、韓国、台湾などが好調。韓国と台湾、中国市場には大人用紙おむつも投入した。アジアにとどまらず中東への展開も視野に入れ、すでにテスト販売を始めた。

 王子ホールディングス(HD)は今年1月、マレーシアの紙おむつメーカーであるピープル・アンド・グリットの発行済み株式の80%を取得した。これに併せ、東南アジアで本格的に紙おむつ事業を展開するため、子会社を通じた全額出資で同国に現地生産会社も設立。工場は11月に稼働する。

 また、インドネシアでもベビーフードを手がける現地メーカーと紙おむつの製造・販売で、それぞれ合弁会社を設立済み。早ければ年内にも事業が始動する見通しだ。

 中国市場には日本からの製品輸出で対応しているが、南通市で稼働した紙・パルプ一貫生産工場に広大な敷地があり、その活用策として紙おむつの現地生産も取り沙汰される。王子HDは海外紙おむつ事業で15年度に売上高50億円を見込み、3年後の18年度に9倍の450億円まで拡大する計画を打ち出しており、未進出国でM&A(合併・買収)による急展開もありそうだ。

 国内の大人用紙おむつ・尿もれパッド市場に絞り込み、ヘルスケア事業を展開してきた日本製紙も、現状の事業規模70億円を中計(15―17年度)で200億円まで拡大する体制整備に取り組む。供給基地となっている京都工場(京都府福知山市)に50億円を投じ増産を進めて“マザー工場”化するほか、商品ラインアップを拡充して輸出も本格化。海外でのM&Aも選択肢で、当然ながら、撤退していたベビー用紙おむつへの再参入が考えられる。

日刊工業新聞2015年06月24日 素材・ヘルスケア・環境面

COMMENT

村上毅
編集局ニュースセンター
デスク

 少し前に、粉ミルクや紙おむつの日本での“買い占め”が話題となった。中国やアジアで生まれている富裕層だけでなく、一般にまで日本ブランドが広がっているようだ。

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