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杉、ヒノキの苗木生産の自動化へ一歩!種子の発芽確率を赤外線で見抜く

九大院、住友林業、森林総合研究所の共同研究
 九州大学大学院理学研究院の松田修助教らの研究グループは、杉やヒノキで発芽の可能性が高い種子を効率的に選別する技術を開発した。赤外光を照射して反射の仕方で判別する。実験では95%以上の確率で発芽する可能性が高い種子を選んだ。実用化できれば苗木生産のコスト削減になるほか、種まきから苗木出荷までを自動化できる可能性がある。

 九州大学と住友林業、森林総合研究所との共同研究。研究では種子に赤外光を当てると発芽する可能性が高い種子と発芽しない種子で、ある波長域の反射に違いが見られた。さらに、その波長域の光を照射し、赤外線カメラで判断する方法を開発した。杉やヒノキは発芽しない種ができる頻度が比較的高い。種子の選別は従来、外観や大きさ、重さなどを手がかりに行われている。成果は米科学誌プロスワンに掲載された。
日刊工業新聞2015年06月23日 科学技術・大学面
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
発芽の確率が高まると一粒ずつ種をまいてもよくなり、複数まいていた時のような間引きや移植が不要になるため、自動化しやすくなるそうです。

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