マクセル、複数の人が裸眼のまま見れる3Dディスプレー開発
電子看板などに活用
マクセルは複数の人が裸眼のまま立体像を見ることができる「裸眼3次元(3D)ディスプレー」を開発した。360度全方位の視点から立体像として再生できる。情報通信研究機構(NICT)ユニバーサルコミュニケーション研究所などと共同で開発した。今後、裸眼3Dディスプレー技術をデジタルサイネージ(電子看板)や車載機器などの分野へ展開する。
裸眼3Dディスプレーは円すい状スクリーンに対し、複数のプロジェクターからの投写映像を同期することで立体像を演出する。スクリーン表面は光線の拡散を制御するために特殊な微細形状となっている。
マクセルが開発した独自の3D光学技術によって光線密度を従来比で3・5倍まで高めた。高密度の光線群を生成することで立体像の解像度を大幅に向上した。さらにNICTユニバーサルコミュニケーション研究所の「fVisiOn(エフ・ビジョン)」と呼ばれる立体映像技術なども組み合わせた。
マクセルホールディングス(HD)がユニークなブランド戦略を展開している。品川プリンスホテル(東京都港区)が所有する水族館「アクアパーク品川」の命名権を取得。消費者になじみのある分野で新たなイメージを訴求する。同社は日立製作所の持ち分法適用会社から外れ、10月に社名を日立マクセルから変更した。これを機にブランド戦略を強化し“マクセルブランド”の浸透を狙う。
マクセルHDは1960年に設立し、電池や記録メディアを中心に事業を展開してきた。日立製作所の子会社としてビジネスを行ってきたが、3月に独立した。
10月の社名変更と同時に「Within, the Future/未来の中に、いつもいる」を新たなブランドスローガンに制定。ブランド戦略の一環として、品川プリンスホテルから命名権を取得した。品川プリンスホテルとは12月1日から3年間取得することで合意書を締結し、12月から「マクセル アクアパーク品川」として生まれ変わる。
品川プリンスホテルはホテル内にある都市型水族館として05年4月から「アクアパーク品川」を運営している。15年7月には改装を実施するなど、品川の街の発展に合わせ、エンターテインメント施設としての役割も果たしてきた。水族館以外では、13のレストランや映画館、ボウリングセンターなどを保有し、ホテルの枠を超えて展開している。
両者は「先端技術で人に驚きと感動を届ける」というブランドコンセプトに共通点があったという。実際、水族館では、クラゲと照明で演出する「ジェリーフィッシュランブル」など音や光、映像と海洋生物を融合させることで多様なコンテンツを提供する。
マクセルも光学技術などを強みとしており「当社のコアコンピタンスが生かせる事業領域」(勝田善春マクセルHD社長)としている。
今後、水族館で色鮮やかな光を演出できるマクセル製プロジェクターを利用するなど、具体的なシナジーを創出していく計画だ。「マクセル アクアパーク品川」で、新しいイメージを生み出せるか期待が集まる。
(文=渡辺光太)
裸眼3Dディスプレーは円すい状スクリーンに対し、複数のプロジェクターからの投写映像を同期することで立体像を演出する。スクリーン表面は光線の拡散を制御するために特殊な微細形状となっている。
マクセルが開発した独自の3D光学技術によって光線密度を従来比で3・5倍まで高めた。高密度の光線群を生成することで立体像の解像度を大幅に向上した。さらにNICTユニバーサルコミュニケーション研究所の「fVisiOn(エフ・ビジョン)」と呼ばれる立体映像技術なども組み合わせた。
日刊工業新聞2017年11月1日
日立の冠外し水族館へ
マクセルホールディングス(HD)がユニークなブランド戦略を展開している。品川プリンスホテル(東京都港区)が所有する水族館「アクアパーク品川」の命名権を取得。消費者になじみのある分野で新たなイメージを訴求する。同社は日立製作所の持ち分法適用会社から外れ、10月に社名を日立マクセルから変更した。これを機にブランド戦略を強化し“マクセルブランド”の浸透を狙う。
マクセルHDは1960年に設立し、電池や記録メディアを中心に事業を展開してきた。日立製作所の子会社としてビジネスを行ってきたが、3月に独立した。
10月の社名変更と同時に「Within, the Future/未来の中に、いつもいる」を新たなブランドスローガンに制定。ブランド戦略の一環として、品川プリンスホテルから命名権を取得した。品川プリンスホテルとは12月1日から3年間取得することで合意書を締結し、12月から「マクセル アクアパーク品川」として生まれ変わる。
品川プリンスホテルはホテル内にある都市型水族館として05年4月から「アクアパーク品川」を運営している。15年7月には改装を実施するなど、品川の街の発展に合わせ、エンターテインメント施設としての役割も果たしてきた。水族館以外では、13のレストランや映画館、ボウリングセンターなどを保有し、ホテルの枠を超えて展開している。
両者は「先端技術で人に驚きと感動を届ける」というブランドコンセプトに共通点があったという。実際、水族館では、クラゲと照明で演出する「ジェリーフィッシュランブル」など音や光、映像と海洋生物を融合させることで多様なコンテンツを提供する。
マクセルも光学技術などを強みとしており「当社のコアコンピタンスが生かせる事業領域」(勝田善春マクセルHD社長)としている。
今後、水族館で色鮮やかな光を演出できるマクセル製プロジェクターを利用するなど、具体的なシナジーを創出していく計画だ。「マクセル アクアパーク品川」で、新しいイメージを生み出せるか期待が集まる。
(文=渡辺光太)
日刊工業新聞2017年10月31日