ノーベル賞有力候補に浮上した宮坂教授は、バイオリニストでもあった!
ペロブスカイト太陽電池の開発で実績
米科学情報企業のクラリベイト・アナリティクス(フィラデルフィア)は20日、学術論文の被引用数などを基に同社が予想するノーベル賞受賞の有力候補者として22人を発表した。日本人では化学分野で桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授(64)の1人を選出した。
宮坂氏は「効率的なエネルギー変換を達成するためのペロブスカイト材料の発見と応用」の功績で選ばれた。
同社選定のノーベル賞有力候補者は生理学医学、物理学、化学、経済学の4分野が対象。各分野ごとに同社の学術文献・引用データベースから、被引用数が上位0・1%に入る論文を選び、独自性や影響力、受賞歴などを分析して決める。
本賞は16年までのトムソン・ロイター引用栄誉賞を引き継いだもので、これまでに選出した日本人の有力候補者は計24人。16年は生理学医学分野で京都大学の本庶佑客員教授、化学分野で崇城大学DDS研究所の前田浩特任教授(熊本大学名誉教授)と国立がん研究センター先端医療開発センター新薬開発分野の松村保広分野長の3人を選んだ。
過去の日本人有力候補者の中には、12年にノーベル生理学医学賞を受賞した山中伸弥氏や、14年に同物理学賞を受賞した中村修二氏がいる。
ハワイ・ホノルルで12月20日に閉幕した環太平洋国際化学会議。その中で行われたコンサートの舞台に、バイオリニストとして立った。仕事として取り組む次世代太陽電池の研究開発と同様、バイオリンの演奏は自分にとって挑戦するモノ。出勤前に欠かさず練習しており、国際会議での演奏は日頃の成果を発揮する今年のヤマ場だった。
バイオリンを始めたのは大学時代。高校の同好会で演奏していたフルートから転向。以来、練習に励んできた。現在は出勤前の練習のほか、2週に1回音楽教室のレッスンに通う。
また、化学者によるオーケストラ「Orchestra Chimica」に所属。日本化学会が毎年春に開く年会での演奏は恒例行事だ。同会の事務所が東京都千代田区に所在する関係で、毎年秋には同区のオーケストラフェスティバルにも参加する。
バイオリンの演奏は緊張との戦い。国際会議ではオーケストラを従え、二つのフルートとともにソリストとしてバッハの「ブランデンブルク協奏曲第四番」を演奏した。かなりの難曲で、出国前は大きな重圧を感じていた。しかし、演奏は好評で、アメリカ化学会の会長には称賛の言葉を掛けられた。
緊張の舞台とそれに向けた日々の練習は負担に感じることもあり、仕事の息抜きにはなっていない。ただ、演奏を止めようと思ったことは一度もない。
それはバイオリンという楽器の魅力によるところが大きい。基本的に全て天然の材料で作られており、同じものはない。手作りのため製作者の苦労を肌で感じる。奏でる音もそれぞれ異なる。そうした楽器と付き合う楽しさは他のモノでは得られない。
悩みの種は演奏姿勢だ。ビデオで撮影して見た自分の姿は、無駄な力が入っており格好悪いと思う。よりよい音を出すため姿勢の改善が目標だ。「少しでも上達したい」。演奏を始めた大学時代に抱いた気持ちは衰えを知らない。
※内容は当時のもの
宮坂氏は「効率的なエネルギー変換を達成するためのペロブスカイト材料の発見と応用」の功績で選ばれた。
同社選定のノーベル賞有力候補者は生理学医学、物理学、化学、経済学の4分野が対象。各分野ごとに同社の学術文献・引用データベースから、被引用数が上位0・1%に入る論文を選び、独自性や影響力、受賞歴などを分析して決める。
本賞は16年までのトムソン・ロイター引用栄誉賞を引き継いだもので、これまでに選出した日本人の有力候補者は計24人。16年は生理学医学分野で京都大学の本庶佑客員教授、化学分野で崇城大学DDS研究所の前田浩特任教授(熊本大学名誉教授)と国立がん研究センター先端医療開発センター新薬開発分野の松村保広分野長の3人を選んだ。
過去の日本人有力候補者の中には、12年にノーベル生理学医学賞を受賞した山中伸弥氏や、14年に同物理学賞を受賞した中村修二氏がいる。
日刊工業新聞2017年9月21日
仕事の息抜きにはなっていないが…
ハワイ・ホノルルで12月20日に閉幕した環太平洋国際化学会議。その中で行われたコンサートの舞台に、バイオリニストとして立った。仕事として取り組む次世代太陽電池の研究開発と同様、バイオリンの演奏は自分にとって挑戦するモノ。出勤前に欠かさず練習しており、国際会議での演奏は日頃の成果を発揮する今年のヤマ場だった。
バイオリンを始めたのは大学時代。高校の同好会で演奏していたフルートから転向。以来、練習に励んできた。現在は出勤前の練習のほか、2週に1回音楽教室のレッスンに通う。
また、化学者によるオーケストラ「Orchestra Chimica」に所属。日本化学会が毎年春に開く年会での演奏は恒例行事だ。同会の事務所が東京都千代田区に所在する関係で、毎年秋には同区のオーケストラフェスティバルにも参加する。
バイオリンの演奏は緊張との戦い。国際会議ではオーケストラを従え、二つのフルートとともにソリストとしてバッハの「ブランデンブルク協奏曲第四番」を演奏した。かなりの難曲で、出国前は大きな重圧を感じていた。しかし、演奏は好評で、アメリカ化学会の会長には称賛の言葉を掛けられた。
緊張の舞台とそれに向けた日々の練習は負担に感じることもあり、仕事の息抜きにはなっていない。ただ、演奏を止めようと思ったことは一度もない。
それはバイオリンという楽器の魅力によるところが大きい。基本的に全て天然の材料で作られており、同じものはない。手作りのため製作者の苦労を肌で感じる。奏でる音もそれぞれ異なる。そうした楽器と付き合う楽しさは他のモノでは得られない。
悩みの種は演奏姿勢だ。ビデオで撮影して見た自分の姿は、無駄な力が入っており格好悪いと思う。よりよい音を出すため姿勢の改善が目標だ。「少しでも上達したい」。演奏を始めた大学時代に抱いた気持ちは衰えを知らない。
※内容は当時のもの
2015年12月25日