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マツダ「8」を埋めた3列SUV

 未開拓市場“火付け役”に
マツダ「8」を埋めた3列SUV

「市場を創造する」と小飼社長

 マツダは14日、新型3列シートスポーツ多目的車(SUV)「CX―8」を12月14日に日本で発売すると発表した。米国市場には3列SUV「CX―9」を投入しているが、国内での3列SUVの発売は初めて。最新のクリーンディーゼルエンジンを搭載し、走行性能のほか、室内の快適性も向上させた。輸入車を含めた3列SUVの国内の月間販売台数は約3000台。マツダは市場が未成熟な3列SUVで新型車を投入し、自ら市場を作る方針だ。

「日本人のライフサイクルに対する価値観は変化している。新しいライフスタイルを求める日本のお客さまとともに、新しい市場を創造する」―。小飼雅道社長は同日に都内で開いた記者会見でこう意気込みを示した。

 マツダには2012年に新世代クリーンディーゼルエンジンを搭載した新型SUV「CX―5」を発売し、ディーゼルエンジン車の市場を切り開いてきた自負がある。

 CX―5は同社の世界販売台数の約4分の1を占めるまでに成長した。今回も3列シートSUVを新たに投入し、未開拓市場の“火付け役”となる構えだ。

 マツダのSUVラインアップで最上位モデルとなるCX―8は人間工学に基づき、3列目の空間を身長170センチメートルの人でも快適に過ごせる設計にした。

 衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術「アイ・アクティブセンス」を標準装備し、車両周囲をモニターで確認できる駐車支援システム「360度ビュー・モニター」も設定した。消費税込み価格は、319万6800円から。月間販売台数は1200台を計画する。

 エンジンには改良したクリーンディーゼルエンジン「スカイアクティブ―D2・2」を搭載。少量の燃料を多段かつ高圧で微細噴霧化して噴射することで静粛性と燃焼効率を両立させた「急速多段燃焼」を採用した。過給効率を高める新機構の搭載などにより、高出力、高トルクを実現した。使用実態に近づけた新燃費表示基準「WLTCモード」の燃費は、最大で1リットル当たり15・8キロメートル。車両生産は宇品第1工場(広島県府中町)で行う。

 マツダは3列シートのミニバンに「MPV」と「ビアンテ」「プレマシー」を持つが、MPVはすでに生産を終了。ビアンテは今月で、プレマシーは17年度中の生産終了を予定する。3車種合計の16年度の販売台数は8223台。マツダの3列シート車は18年度以降、CX―8のみになる。

 小飼社長は「ミニバンから徐々にSUVに需要がシフトしている傾向がある」と指摘した上で、「CX―8でミニバンに代わる新しい市場を創造する」と自信をみせた。

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日刊工業新聞2017年9月15日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
CXシリーズで日本で未発売な数字。「7」はかつて日本でも売っていたが今は中国専用車に。「9」は北米で発売されている大型SUVで日本で発売を期待する声も。「6」は3列シート7人乗りとしてプレマシー、MPV、ビアンテの受け皿モデルとして投入の噂あり。「8」も「6」よ同じくプレマシーとビアンテに変わり、3列シート7人乗りのSUVとして今年登場する噂があった。

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