宮崎の森の発電所、稼働!林業という財産を生かす
経産省試算では2030年にバイオマスは286億キロワット時へ
宮崎森林発電所(宮崎県川南町、山下壽社長、0983・27・2236)は、同県川南町で木質バイオマス発電所を完成、操業を始めた。発電能力は5750キロワット。起こした電気は特定規模電気事業者(PPS)に売電する。発電設備を含めた投資額は約28億円。2016年3月期売上高は約11億円を見込む。
稼働した発電所の敷地面積は約9000平方メートル。燃焼方式の流動層ボイラなどを設置した。燃料となる原料には県内の森林未利用材を使う。同町に新設した発電用木材チップ工場でチップを生産し、供給する。
宮崎森林発電所は発電事業を運営する特別目的会社(SPC)。グリーンファイナンス推進機構(東京都港区)や、くにうみアセットマネジメント(同千代田区)などが出資して設立した。山下社長は「原料の供給元である林産業の振興につながる事業を目指す」としている。(宮崎)
日刊工業新聞2015年04月03日 列島ネット面
◆どうなるエネルギーミックス~経産省が策定作業◆
経済産業省は太陽光などの再生可能エネルギーの導入量が、2030年度時点で2100億キロワット時程度になるとの試算を公表した。同省は30年度の国内電力需要を最大1兆1440億キロワット時と見積もっており、単純計算すれば2割弱を再生エネで賄える。ただ実際には再生エネが増えると、電気料金の上昇などの問題につながる。同省は導入コストの問題も含め、30年度時点の「エネルギーミックス」(電源構成比)の策定作業に結果を反映させていく意向だ。
再生エネ固定価格買い取り制度の対象として認定されたものの、まだ稼働していない発電設備などの発電能力を推計し、同日開いたエネルギーミックスの検討委員会に示した。
内訳は太陽光発電が700億キロワット時、水力発電が953億キロワット時、バイオマス発電が286億キロワット時、風力発電が100億キロワット時、地熱発電が98億キロワット時。足元の導入量およそ1290億キロワット時から6割以上増える計算だ。
日刊工業新聞2015年03月11日 2面