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「アクセラ」、安全へ進化。ガチンコ勝負は「インプレッサ」?

Cセグで競合と差別化、あくまで“走る歓び”をユーザーに
「アクセラ」、安全へ進化。ガチンコ勝負は「インプレッサ」?

マツダ公式ページより

 マツダが主力車種で安全機能を拡充している。セダン「アクセラ」に安全装備を追加して9月21日に発売する。衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術「アイ・アクティブセンス」を全機種で標準装備した。アクセラが属するCセグメントは、トヨタ自動車の「カローラ」やSUBARU(スバル)の「インプレッサ」など競合車の競争が激しい。付加価値を高めて差別化を図る。

 改良したアクセラは衝突被害軽減ブレーキに加えて、オートマチック車のペダル踏み間違いによる事故を低減する機能などの四つの安全装備を標準搭載した。経済産業省などが普及を進める高齢者などの運転者を安全技術で支援する「安全運転サポート車(サポカーS・ワイド)」に該当する。消費税込み価格は182万5200円からで、月間2400台の販売を想定する。

 また車両周囲の状況をモニターで確認できる駐車支援システム「360度ビュー・モニター」を初めて採用した。Cセグメントでの同システムの搭載は国内完成車メーカーでは初という。

 統合制御システム開発本部の森島茂樹主幹は、「魚眼レンズの映像を歪みがなく人が認知しやすい映像にすることができた」と自信をみせた。

 マツダは、2017年度中に「デミオ」や「CX―5」などの国内主要5車種へのアイ・アクティブセンスを標準搭載すると公表しており、今回のアクセラで出そろうことになる。

 同社が安全にこだわるのは、あくまでも“走る歓び”をユーザーに感じてもらうためだ。商品本部の和田宜之主査は「そのためにも、安全・安心であることがベースとなる」と強調する。

 国内完成車メーカーも安全機能の標準装備を進めている。ホンダは、今秋発売する新型軽自動車「N―BOX(エヌボックス)」の全タイプに、衝突軽減ブレーキや後方誤発進抑制機能などの安全運転支援システム「ホンダセンシング」を標準装備する。同社の軽自動車では初めての搭載となる。今後投入するモデルについても同システムの標準装備化を進める計画だ。

 トヨタは自動ブレーキなどの先進安全技術を「カローラフィールダー」などで搭載している。17年中に日本・北米・欧州で生産するほぼすべての乗用車に先進安全技術を設定する予定。日産自動車は自動ブレーキを主要車種に標準搭載している。

 スバルも一部スポーツモデルを除くほぼすべての車種に運転支援システム「アイサイト」を標準装備している。各社とも安全機能を向上させて、車両価値の向上を急ぐ。
「アクセラ」マツダ公式ページより

2017年8月25日



弱点だったデザインを克服


<開発責任者に聞く>
●スバル商品企画本部プロジェクトゼネラルマネージャー・阿部一博氏


 5年ぶりの全面改良で、新規開発した共通プラットフォーム(車台)を採用した第1弾モデル。単なる全面改良の領域を超え、安全性と走りの両面で他銘柄を圧倒する次世代スバル車の基盤となる商品と位置づけ開発に臨んだ。

 主戦場の米国で絶対に成功し、日本でも確実に受け入れられる車づくりを目指し、アウトドアやスポーツなど趣味を楽しみ頻繁に車で外出する「ライフアクティブ層」に照準を定めた。独フォルクスワーゲンの「ゴルフ」、マツダの「アクセラ」など競合車との競争が激しくなる中、商品力で圧倒的な差別化を図るには車台の刷新が欠かせないと判断した。

 新車台「スバルグローバルプラットフォーム」の採用により、車体強度を高めるとともに生産技術部門と緊密に連携し、スタビライザーを車体に直づけするといった工夫を積み重ねて車体のブレや振動を抑えた。

 安全性と乗り心地が格段に向上した。これまで蓄積した技術ノウハウに加え、1000分の1秒単位で車の挙動を計測できる装置を導入し図面に反映。性能を底上げする納得のいく車台開発につながった。

 内外装のデザインや質感にも徹底的にこだわった。というのも「実用的でいい車だけど、この見た目や質感だとちょっと―」と顧客がデザインに納得せず、最終的に競合の欧州車を購入してしまう事例があったからだ。

 弱点を克服すべく今回は、デザインの自由度を高めるために全幅を広げ、デザイナーのクリエイティビティーを存分に発揮できるようにし、ダイナミックな躍動感などデザイン性の向上につなげた。新型インプレッサに他銘柄から乗り換える方が増えている背景の一つになっていると思う。

 今回からインプレッサでは初めて群馬製作所(群馬県太田市)、米国工場(インディアナ州)の日米両拠点でほぼ同時期に生産を開始した。主戦場の米国と日本のお客さまにどうしても“旬の車”を同時期に届けたかったからだ。

 これまでにない難しい条件下での生産立ち上げだったが、今まで以上の品質で生産をスタートできた。
スバル「インプレッサ」

※内容、肩書は当時のもの

日刊工業新聞2016年12月26日


明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
「アクセラ」は初期のマツダ躍進を支えた車種。走りと「アイサイト」をうまく両立させ人気のスバル車がベンチマークか。ユーザーの年齢層はマツダの方が高い気もするので、そうなると「カローラ」か。昨年の発売以降、「インプレッサ」の評判がよいだけに、改良後のユーザーの反応はどうなるか。安全機能の標準装備が普通になってくるなかで、車両コストも当然上がってくる。各社はコスト吸収力、販売価格に対応できるブランド力を同時に磨かないといけない。

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