METI
エアコンの国内生産は30年前とほぼ同水準、何で国内メーカーは強いの?
地域によって求められる製品スペックが異なる「地産地消」向き
エアコンは、海外生産のイメージが強い白物家電の中では異色の存在で、圧倒的に国産が多い製品ということを御存じだろうか?下の図は、鉱工業指数の品目別長期データ※を用いて、この30年間の白物家電の国内生産の動向を、1990年の水準を100とした指数でみてみたものになる。
これをみると、セパレート形エアコン、電気がま(炊飯ジャー)以外の家電は、2016年現在で1990年の半分以下の生産水準となっているのが分かる。一方、セパレート形エアコンについては2016年現在で約9割となっており、30年前の生産水準をほぼ維持しているのが分かる。また、生産指数が近年、明瞭に回復してきているのも、他の品目とは違うところだ。
※平成2年基準、平成7年基準、平成12年基準、平成17年基準、平成22年基準の5回分の基準指数を用いて、1995、2000、2005、2010年の各時点の指数について、新旧基準データから新旧基準を接続するための係数を作成し、1990年=100とする長期データを作成。
次に、最新の延長産業連関表(2014年時点)を用いて日本に供給されている白物家電の国産品シェアをみたものが下図になる。これをみると、エアコンを除く民生用電気機器の国産品シェアが65.2%であるのに対して、エアコンの国産品シェアは実に83.8%となっている。
では、なぜ白物家電の中でエアコンは、国産率が高いのだろうか?そのヒントは世界各地域で使われているエアコンの製品事情にあるものと考えられる。下図は、一般社団法人日本冷凍空調工業会が公開している、世界各地域のインバーターエアコンの普及率を示したものだが、日本や北米、豪州ではインバーターエアコンの普及率が100%である一方、海外生産拠点のイメージが強い中国や東南アジアでは普及率がそれほど高くない。
こうした地域性があまり見られないデジタル家電と異なり、地域によって求められる製品スペックが異なるエアコンは、地産地消の観点から、海外で大量生産して日本に運ぶよりも、日本国内で生産する方が「割に合っている」ということかもしれない。
このように、身近なエアコンという製品について、国産と輸入という観点からみるだけでも、意外な事実が見えてくることがお分かりいただけただろうか。皆さんのご家庭のエアコンの製品情報をみてみると、「日本製」の表示が目に入ってくるかもしれない。
これをみると、セパレート形エアコン、電気がま(炊飯ジャー)以外の家電は、2016年現在で1990年の半分以下の生産水準となっているのが分かる。一方、セパレート形エアコンについては2016年現在で約9割となっており、30年前の生産水準をほぼ維持しているのが分かる。また、生産指数が近年、明瞭に回復してきているのも、他の品目とは違うところだ。
※平成2年基準、平成7年基準、平成12年基準、平成17年基準、平成22年基準の5回分の基準指数を用いて、1995、2000、2005、2010年の各時点の指数について、新旧基準データから新旧基準を接続するための係数を作成し、1990年=100とする長期データを作成。
次に、最新の延長産業連関表(2014年時点)を用いて日本に供給されている白物家電の国産品シェアをみたものが下図になる。これをみると、エアコンを除く民生用電気機器の国産品シェアが65.2%であるのに対して、エアコンの国産品シェアは実に83.8%となっている。
では、なぜ白物家電の中でエアコンは、国産率が高いのだろうか?そのヒントは世界各地域で使われているエアコンの製品事情にあるものと考えられる。下図は、一般社団法人日本冷凍空調工業会が公開している、世界各地域のインバーターエアコンの普及率を示したものだが、日本や北米、豪州ではインバーターエアコンの普及率が100%である一方、海外生産拠点のイメージが強い中国や東南アジアでは普及率がそれほど高くない。
こうした地域性があまり見られないデジタル家電と異なり、地域によって求められる製品スペックが異なるエアコンは、地産地消の観点から、海外で大量生産して日本に運ぶよりも、日本国内で生産する方が「割に合っている」ということかもしれない。
このように、身近なエアコンという製品について、国産と輸入という観点からみるだけでも、意外な事実が見えてくることがお分かりいただけただろうか。皆さんのご家庭のエアコンの製品情報をみてみると、「日本製」の表示が目に入ってくるかもしれない。