東京・足立区、五輪だけに頼らない街作り
都内有数の「モノづくり力」をレガシーに
東京都足立区は東京五輪・パラリンピック大会向けの競技場が区内にない。ただ東京23区内で工場数は2位を誇り、産業振興に力を入れている。五輪大会だけに頼らず、モノづくりで区の活性化を図る。「共創」をテーマに産学官が一体となり、モノづくりなどの強みがレガシー(遺産)となるように魅力発信を目指す。
産業振興課は2017年度から区内の町工場と協力し、「夏休み足立ものづくり体験・工場見学会」を開いている。主体となるのは参加工場であり、日程や参加年齢、費用なども自由に設定でき、参加者も工場側も参加しやすくする。
産業振興課の依田保課長は「魅力的な企業がたくさんあるのに、知る機会が少ない。認知度向上や工場側の営業のきっかけとなれば」と期待する。
また、「区の治安が悪い」「誇りが持てない」といったイメージを拭い、プロモーションや戦略的に広報することを専門的に行うシティプロモーション課が10年に発足。区が場や機会を提供・提案し、区民や企業側が自ら動くことを促す。
例えば「あだちベジタベライフ」は、区民の糖尿病患者が多いことや予防につながる野菜の摂取量が少ないことから始めた。飲食店やコンビニなど民間企業と提携し、野菜の販売や野菜を多く盛り込むメニューの提供などで協力体制を築き、区民の野菜摂取量を増やしている。
区内のあらゆる方面で産学連携などを進め、「区民が誇りを持てる区」を目指す。
【記者の目/急成長エリア、区民の誇りに】
毎年の世論調査でシティプロモーション課発足当時の7年前には区に愛着を持つ区民が多い一方、誇りを持つ人は3割しかいなかったという。現在は誇りを持つと答えた人が5割に。千住地域を中心に住みやすさや成長から注目されている足立区。20年に向け、大きく変化する区かもしれない。
(文=大串菜月)
産業振興課は2017年度から区内の町工場と協力し、「夏休み足立ものづくり体験・工場見学会」を開いている。主体となるのは参加工場であり、日程や参加年齢、費用なども自由に設定でき、参加者も工場側も参加しやすくする。
産業振興課の依田保課長は「魅力的な企業がたくさんあるのに、知る機会が少ない。認知度向上や工場側の営業のきっかけとなれば」と期待する。
また、「区の治安が悪い」「誇りが持てない」といったイメージを拭い、プロモーションや戦略的に広報することを専門的に行うシティプロモーション課が10年に発足。区が場や機会を提供・提案し、区民や企業側が自ら動くことを促す。
例えば「あだちベジタベライフ」は、区民の糖尿病患者が多いことや予防につながる野菜の摂取量が少ないことから始めた。飲食店やコンビニなど民間企業と提携し、野菜の販売や野菜を多く盛り込むメニューの提供などで協力体制を築き、区民の野菜摂取量を増やしている。
区内のあらゆる方面で産学連携などを進め、「区民が誇りを持てる区」を目指す。
【記者の目/急成長エリア、区民の誇りに】
毎年の世論調査でシティプロモーション課発足当時の7年前には区に愛着を持つ区民が多い一方、誇りを持つ人は3割しかいなかったという。現在は誇りを持つと答えた人が5割に。千住地域を中心に住みやすさや成長から注目されている足立区。20年に向け、大きく変化する区かもしれない。
(文=大串菜月)
日刊工業新聞 2017年8月8日