リチウムイオン電池用セパレーター、旭化成が投資前倒し

世界首位堅持へEVの商機逃さず

 【米シャーロット(ノースカロライナ州)=鈴木岳志】旭化成は2020年までにリチウムイオン二次電池用セパレーター(絶縁材)の年産能力を最大で15億平方メートル(現状比2・5倍)に増強する。

 従来計画の11億平方メートルから大幅に上積みする。上積み分の総投資額は300億円規模とみられる。自動車メーカーが電気自動車(EV)などの開発を加速しており、電池部材市場の成長スピードも当初想定以上。積極投資で世界首位の座を堅持する。

 旭化成はリチウムイオン二次電池用セパレーターの設備投資計画を見直し、20年時点で年産能力を湿式・乾式合計で13億―15億平方メートルに拡大する検討を始めた。自動車・電池メーカーへの採用が固まり次第、17年度内にも正式決定する見通し。

 セパレーターは湿式と乾式の2種類に大別される。同社は両方手がけており顧客の要求に応じて供給できる。年産15億平方メートルの内訳は、現在主力の湿式が約10億平方メートル(現状比2・9倍)、乾式が約5億平方メートル(同2倍)を見込む。

 スマートフォンなど民生用も多い湿式セパレーターの増産は守山製造所(滋賀県守山市)が中心。ただ、建設事情などによって、宮崎県日向市の工場も活用する。

 乾式は15年に買収した米ポリポアの工場を増設する。価格を抑えやすいため、特にコスト意識の高い車載用途を想定する。

日刊工業新聞2017年6月23日

鈴木 岳志

鈴木 岳志
06月25日
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世界のセパレーター市場は16年の15億平方メートル程度から20年に最大で35億平方メートルまで成長する見通し。用途別では車載が7割を占める。国別では、環境規制の強化でEV需要が伸びる中国が、全世界の過半を占める最大市場となる。

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