子供たちがスポーツを楽しめる場を!アートディレクター・故長友啓典さんのメッセージ

パパ、ママ世代に伝えたい、「スポーツで良い大人に」

天才を追い抜く努力の人になる


 大相撲の人気が復活してきている。「巨人・大鵬・卵焼き」の頃はすごかった。二十数年前は「若・貴」の時代だ。初場所は稀勢の里人気に乗じて初日から「満員御礼」が続いたようだ。

 やっぱり若いお嬢さんたちのパワーがすごいんでしょうねぇ。広島でのカープ女子しかり、「ちゃんこ鍋」も先だって紹介したが「霧島ちゃんこ」も今までは居酒屋に近い雰囲気の場所だったのが女子力が加わることで合コンの場ともなっている。なんてったってお店の女の子が日体大出身のお嬢さんで、部活の時「ちゃんこ鍋」をやってました、と言う。ちゃんこを作る姿も手慣れたものだ。

 「ちゃんこ霧島」は陸奥部屋の親方が現役時代のしこ名からとった名前なので陸奥部屋に縁が深い。まだお相撲さんと言われる十両の関取はいないのだが、幕下にいる「霧馬山」、「勇輝」、「霧の富士」のイケメン3人組の誰かが、願わくば3人そろって今年中に十両に上がってくれればいいなぁ。以前より約束している事がある。「君たちの化粧まわしはボクがデザインするぞぉ」と言ってある。そんなに遠い日ではないはずだ。

 このところ、縁あっていわゆる砂かぶりと言われている場所で相撲観戦をさせてもらっている。「千修」の下谷友康さんの計らいで1年に2場所、あるいは3場所の皆勤賞の成績だ。稀勢の里の成長ぶりもつぶさに見てとっている。

 知らなかったことがある。11歳の頃、この少年はクラスの小冊子に「天才はあきらめた」「天才を追い抜く努力の人になる」と宣言しているのだ。少年恐るべしである。お父さんのコメントも「弱音は一切ありません。いつも『ありがとうございます』でした」というじゃありませんか。

 ほんと最近の親子の会話を聞いてあきれかえりますぞぉ。8歳の少年の俊敏さを生かして通勤電車に潜り込み、いち早く席を確保し「ママ、ママ」と叫ぶ親子と比べてがくぜんとした。11歳の稀勢の里と比べてみるがいい、どちらが良いのか歴然だ。

 このところラグビーワールドカップ、オリンピックをはじめ、子供たちにスポーツの親しみを伝えるキャンペーンが多くある。パパ、ママにお伝えしたい、子供たちがスポーツを楽しめる場を作ってあげてください。きっと良い大人になれますよ。ボクはラグビーに入門しました。いまだに友達として続いています。「ワンフォーオール・オールフォーワン」の標語の下に。
(文・イラスト 長友啓典)
                    

ながとも・けいすけ 39年(昭14)大阪生まれ。「まあ、ええやないか」「やってやろうやないの」「なんとかなるわ」を信条にするイラストレーター。デザイン会社K2代表



日刊工業新聞2017年1月27日

宮里 秀司

宮里 秀司
03月05日
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日刊工業新聞のイラスト付きコラムを執筆されていた「友さん」こと、長友啓典さんが亡くなられました。友さんは中学・高校とラグビーに熱中。高校時代には全国大会に出場し、聖地・花園ラグビー場のピッチを踏んだとコラムに書かれていました。折に触れラグビーの基本精神である「ワンフォーオール、オールフォーワン」(一人は皆のために、皆は一人のために)を引用、子どもたちにスポーツの素晴らしさを伝える必要性を説かれていました。また、故野坂昭如さん原作の「戦争童話集」の映像化にも取り組まれました。スポーツが楽しめることは平和の証であり、子供たちにスポーツができる場を用意することは大人の責務だと感じます。ラグビー関係者がまた一人、この世を去りました。ご冥福をお祈りします。

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