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東芝の不正会計を見逃した監査法人、「働き方改革」の中身

新日本、女性会計士の活躍支援。本部に保育施設
東芝の不正会計を見逃した監査法人、「働き方改革」の中身

会計士が監査に集中できる体制を整備(イメージ)

 新日本監査法人(東京都千代田区、辻幸一理事長)は、4月から5月まで期間限定で本部内に保育施設を開設する。女性を中心とした小さな子供を持つ公認会計士の活躍を支援するためで、同様の取り組みは4大監査法人として初めて。監査法人は、繁忙期である4、5月は土日祝日も勤務がある。安心して子供を預けられる環境を用意することで会計士の負担軽減、業務集中につなげる。

 土曜日、日曜日、祝日の保育受け入れは、保育園によってまちまち。子供が通う園で休日保育がないと、繁忙期でも勤務できないケースがある。この問題を解決するため、新日本は4、5月の土曜日や日曜日、ゴールデンウイークの期間限定で、本部内に保育施設を設置する。

 新日本は、パートナー(幹部社員)の女性比率を2016年の7・4%から20年までに10%へと引き上げる方針。定期採用でも女性比率を増やし、在宅勤務制度を導入。フレックス出勤制度についても研究している。女性が働きやすい職場づくりを進めることで、目標達成を目指す。

 東芝の不正会計問題を見逃したとして、金融庁から行政処分を受けた新日本は、組織風土や経営体制の改革を進めている。

 7月以降の続投が固まった辻幸一理事長は、今後の改革テーマとして「働きやすさ改善」と「業務効率化」を掲げる。保育施設の設置などを通じて会計士が監査に集中できる体制を整備。監査品質のさらなる向上につなげる考えだ。
日刊工業新聞2017年2月17日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
昨年の段階で、役員の人事評価改定で業務不適格者が20%にまで増えたと言われている。「働き方改革」も重要だが、個々のレベルアップも欠かせない。そこで補えない分はAIになっていくのだろうか。

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