プジョーにとってオペル買収は「もろ刃の剣」

欧州の比重を高めるよりも、中国・アジア市場の開拓を優先すべき

 仏プジョーシトロエングループ(PSA)が、米ゼネラル・モーターズ(GM)の子会社であるドイツのオペルを買収する交渉を進めていることが分かった。海外メディアが14日伝えた。交渉は最終段階で、数日中に発表予定だという。交渉がまとまれば、欧州自動車業界の勢力図を塗り替える可能性も出てくる。

 プジョーとオペルの2016年の欧州連合(EU)市場でのシェアを単純合算すると16・6%になる。2位のフランス大手ルノーを抜き、首位のドイツのフォルクスワーゲン(VW)に近づく。PSAはGMの欧州部門オペルと英部門ボクソールの買収について協議しており、PSAは既存の協業プロジェクト拡大についてオペルと協議中だと発表した。  

 プジョーは、去年の世界での販売台数が315万台で、オペルを加えるとおよそ430万台に増える。ライバルのルノーが日産自動車や三菱自動車との統合を進めるなか、PSAが生き残るには規模が足りないとの見方が多い。

 関係者によれば、PSAは買収により規模拡大とオペルのエンジニアリングおよび電気自動車(EV)技術の獲得、共同購入によるコスト削減を目指す考えだ。

 一方、GMにとっては欧州からの完全撤退という選択肢になる。2016年12月期通期のGMの欧州事業は2億5700万ドル(約291億円)の赤字。17年も英国のEU離脱決定で3億ドルの費用が予想される。GMには欧州事業の継続は合理性を欠くとの判断があるようだ。

中西 孝樹

中西 孝樹
02月15日
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GMの欧州事業撤退につながれば、同社にとって大きな経営的な転換点となる。それ程、欧州市場の難しさはこれから拍車がかかると言うことか。PSAにとっては、「もろ刃の剣」となる統合となりそうだ。この厳しい欧州市場で競争力を発揮するには規模が必要。しかし、PSAは現在でも欧州市場比率が高く、中国、アジア市場王へ分散しつつ成長を模索することが望ましい。がオペルの買収、統合へ向かうとなれば、欧州に非常に比重が高い自動車メーカーが生まることになる。

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