人とロボットの協働、カギは敏感センサーと柔らか外装

各社が安全性の確保に工夫

 人間の隣で作業できる協働ロボット「コ・ロボット」が普及する中、ロボットの安全を確保する新技術が登場している。カンタムエレクトロニクス(横浜市都筑区)など4社は人の手が触れる程度の力を検知して作業を止めるフィルムセンサーを開発。ロボット外装に取り付け、安全性を高める。富士フイルムは圧力を数値化できるフィルムをロボットの力測定向けに提案を始めた。柔らかい外装なども注目される。

 カンタムエレや伊藤忠マシンテクノス(東京都千代田区)などは、500グラムの力を検知するフィルムセンサーを開発した。まずはカンタムエレが扱うデンマークのユニバーサルロボット製多関節ロボットのオプションとして提案する。他のロボットメーカー向けへの展開も検討する。

 一般的な産業用ロボットは10キロ―15キログラムの力を検知して作業を止める。より小さい力を検知してストップするため「ロボットの近くで作業するときの安全性が高まる」(カンタムエレ)。アームに巻き付ける形で装着し、かさばらないためスペースやロボットの動きを損なわない。

 富士フイルムは目に見えない圧力や圧力分布を数値化できるフィルム「プレスケール」を使ったロボットの安全性評価の提案を始めた。プレスケールはフィルムシート内の発色剤装のマイクロカプセルと顕色剤により、圧力がかかった部分が赤くなる。色の濃さで圧力値を数値で出せる。

 ロボットと接触した際の圧力を測定しておくことで作業リスクアセスメントの適正な評価が可能になる。グリッパーの圧力を測定すれば、製品の信頼性向上や精度のより高い作業実施にも貢献する。

 三重木型製作所(三重県四日市市)は、独自のウレタン製で柔らかいロボット外装に接触検出機能を追加した。ロボットが人と触れたことを合図に新たな動きをしたり、接触で動きを止めたりできる。ロボットメーカーやシステム構築企業に提案する。

 コ・ロボットが生産現場へ普及するには、基準だけにとどまらない安全性の確保が大きな課題。新技術でより高い安全を提供できるようになれば、活躍できる領域が広がる。

日刊工業新聞2017年1月20日

石橋 弘彰

石橋 弘彰
01月23日
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カンタムエレクトロニクスのフィルムセンサーは、パソコンに取り付けて手書き文字を読み取るボードに使われていた技術を応用したものだという。パソコンやスマートフォンの本体、周辺機器に使われる技術は、ロボットにも応用できるものが多いはずだ。

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