東京五輪、築地移転だけが問題じゃない。小池百合子知事に聞く

 2020年東京五輪・パラリンピック開催まであと3年。東京都は17年度から新4カ年計画『都民ファーストでつくる「新しい東京」―2020年に向けた実行プラン―』を始動する。小池百合子知事に都の産業施策などの取り組みについて聞いた。

―五輪大会を契機に官民の調達案件情報やビジネスマッチングを促進する「ビジネスチャンス・ナビ2020」のユーザー登録数が1万社を突破するなど五輪関連の機運も本格化してきました。

「都内の区市町村を順に巡るフラッグツアーのほか、障がい者スポーツの魅力が体験できる参加型スポーツイベント『チャレスポ!TOKYO』には私も参加し、重度の障がいがある人も取り組めるボッチャをした。今後もみんながワクワクするようなイベントを開催していく」

―スマートエネルギー都市の実現やエコハウスの普及にどう取り組みますか。

「住宅産業はわが国の基幹産業の一つで、耐震と環境の二つの大きなテーマがある。例えば、エネルギー消費の3割を占める家庭部門の省エネ対策は重要だ。断熱効果のある複層ガラスの普及促進や、太陽光発電の施主となる都民にPRし、全体コストを考えた情報を提供していきたい。省エネ住宅が広がることで好循環エコノミーにつながる」

―無電柱化をどう進めますか。

「以前は地域的な話で終わっていた。これからは技術革新と競争により、コストを劇的に下げる努力をして広げていく。防災に役立つほか、都市景観の向上にもつながり、都内の不動産価格も上がる。一つの成長戦略だと思っており、関係業界の刺激にもなる」

―起業支援策は。

「27日に『TOKYO創業ステーション』を東京・丸の内に開設し、特に女性の起業をバックアップする。プランコンサルタントの配置やノウハウ取得セミナーなどをワンストップで行い、キッズルームも設置する。年間500人の女性の起業を目指す」

【記者の目/小池色の実行プラン達成を】
 2月に就任半年を迎える。都政改革本部を創設後、都職員の働き方改革を進め、並行して五輪会場整備費見直しや築地市場の移転延期決定など都民ファーストの視点で改革を進めてきた。とかく都議会との関係や政局が注目されがちだが、小池色を打ち出した実行プランをいかに達成していけるか。今後の手腕に期待がかかる。
(文=大塚久美)

日刊工業新聞2017年1月12日

昆 梓紗

昆 梓紗
01月12日
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「都民ファースト」と言われても具体的にイメージが湧かない都民の一人です。プランを次々に打ち出す様子は鮮やかですが、今後は実行力が問われます。

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三苫 能徳
三苫 能徳
01月13日
豊洲市場と東京五輪の話がクローズアップされるが、働き方改革をはじめ、地方でも活用できるようなモデル改革を進めてほしい。個人的には、無電柱化のイノベーションに注目。
  

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