「佐吉顕彰祭はぶれない軸を確認する場」(豊田章男社長)

今年生誕150年、創造の精神を次世代に伝える

 トヨタ自動車グループの始祖、豊田佐吉氏の生誕から2月で150年。生まれ故郷の静岡県湖西市では数々の記念事業が計画されている。発明に生涯をささげ、自動織機の開発など日本の近代工業の発展に貢献した佐吉氏の精神を次世代に伝えるとともに、“モノづくりのまち”として地域活性化につなげる考えだ。

目玉は「佐吉道場」構想


 湖西市は記念事業の一環として、佐吉氏が最初に特許を取った「豊田式木製人力織機」を復元した。現存する織機から図面を新たに作成して、織機をよみがえらせた。さらに作成した図面や織機を基に地元の子どもたちによる織機の復元も行った。
地元の子どもたちが復元した織機


 モノづくりの楽しさを伝える仕組みづくりを目指す「佐吉道場」構想も目玉だ。既存の子育て支援センターや公民館を活用し、幼児には木のオモチャやパズル、小学生には歯車など機械のメカニズムがわかる工作キットやからくり玩具(がんぐ)を使い、技術や工夫を学ぶ場を提供する。職業訓練センターには学生、若手技術者や企業が製品などの試作ができる3Dプリンターを設置した。

スズキ会長に祝辞依頼


 市は2月11日開催の記念式典で佐吉氏に名誉市民の称号を授与する。豊田家親族が代わりに記章を受ける予定。トヨタと提携協議を開始したスズキの鈴木修会長にも祝辞を依頼しているという。

 「佐吉の創造の精神を胸に、グローバル化とイノベーションにつとめ、自動車産業の健全な成長の一翼を担いたい」。2016年、佐吉氏の命日に当たる10月30日に湖西市の鷲津中学校と豊田佐吉記念館で開かれた顕彰祭で豊田章一郎名誉会長は力強く宣言した。

 顕彰祭には佐吉氏のひ孫にあたる豊田章男トヨタ社長も毎年出席。「佐吉少年は親孝行とお国のために発明を始めた。それが今もトヨタグループの心の目的になっている。顕彰祭はぶれない軸を確認する場」と特別な行事であることを強調した。

 市は記念切手や限定酒、のぼりなどを作成し記念事業を盛り上げる。豊田佐吉記念館やかつて豊田式汽力織機40台が設備されていた山口織布跡、佐吉氏が村の青年と夜学会を開いた山口観音堂などゆかりの地を歩く散策マップも作成。「観光客を呼び込み、地域活性化の起爆剤としたい」と山本信治湖西市商工観光課長は意気込む。
(文=浜松・田中弥生)

日刊工業新聞2017年1月4日

明 豊

明 豊
01月07日
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さてトランプの介入に章男社長はどう対峙していくか。

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