東洋紡がエアバッグ事業に100億円投資。背景にタカタ問題と・・

基布の生産能力を倍増。新興国で運転席や助手席での装着義務化

 東洋紡は28日、2020年度までの4年間で、エアバッグ事業に100億円の設備投資を行うと発表した。まず50億円をかけタイでエアバッグ用基布の生産能力を倍増。その後に日本、タイ、中国、北米の世界4拠点の供給体制を強化する。この100億円の投資とは別に、欧州での新工場建設も検討する。

 タイで生産委託している現地織布工場からエアバッグ用基布の織布工場を分離。17年1月に東洋紡が75%出資して新会社を設立し、同事業を自社化。3月に事業を始める。

 同社は敷地内に新たに工場を建設し、17年中頃に完成する。タイのエアバッグ基布工場は現在、月産で約150万メートル。新工場によって生産能力は倍増する。

 東洋紡は14年にタイのインドラマと共同で独のエアバッグ用原糸メーカーPHPを買収し、エアバッグ用原糸の供給量では世界で4割を占める。エアバッグ市場は新興国での装着率の高まりもあり、年率6%で成長する見通しで、シェア争いも激化している。

ファシリテーター・峯岸研一氏


 増設計画は、生産能力が大きく拡大すると同時に、同業他社と比較して遅れていた織機のS&Bの進行に繋がるものです。エアバッグ基布生産は日系の東洋紡、東レ、タカタ、帝人、SAS(住商・エアバッグ・システムズ)の5グループが、世界で高いシエアを占めています。その中でもタカタとOPW(ワンピースウーブン)タイプを生産するSAS以外の3社は、東洋紡を含め生産拡大を積極的に進めています。
<続きはコメント欄で>

日刊工業新聞2016年12月29日

峯岸 研一

峯岸 研一
01月04日
この記事のファシリテーター

 今回の拡大に踏み切った背景にあるのは、日系3グループが生産する平織物は主に運転席や助手席に用いられますが、タカタ問題への対応とともに、新興国が運転席や助手席へ装着義務化を進めていることが挙げられます。しかも、エアバッグモジュール製造で世界トップのオートリブ社は、基布生産で一時は自社生産を拡大する動きを見せたものの、現在のところOPWへ集中する方針と言われます。
 エアバッグ基布生産は、原糸のナイロン66と合わせ日系合繊メーカーが世界で主導権を確保している数少ないアイテムです。その基調は当分続きそうです。東洋紡を含めた日系合繊メーカーの今後の拡大に期待したいですね。

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