「靴下のペアリングが難しい」―衣類折り畳み機「ランドロイド」の課題と進展とは?

セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ阪根信一社長インタビュー

 セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ(7D、東京都港区、03・6453・7018)は、「世の中にないモノを創り出す」という信念を掲げ、常に新しい事に挑戦している。7Dが開発した全自動衣類折り畳み機「ランドロイド」は家電の常識を覆し、新たなカテゴリーを生んだ。次世代機「ランドロイドワン」の発売を2017年3月に控える中、阪根信一社長に課題と進展を聞いた。

―ランドロイドワンの手応えは。

「販売予約件数は、かなり好調だ。特に欧米など先進国を中心に予約があり、サウジアラビアやドバイからも需要がある。予約の6割が海外のため、現在は販売網の整備を急いでいる。17年3月の販売までに、現地に販売代理店を設ける。インターネット販売も行うが、直に『折り畳みの自動化』を見てほしい。日本では17年3月中旬に都内にショールームを兼ねたカフェをオープンする予定だ。実機の『ランドロイド』を展示するほか、人工知能(AI)で作ったコーヒーが飲める」

―現状の課題はありますか。

「靴下のペアリングが難しい。人間も履き間違いをしてしまうように、同じに見える靴下が多い。ただ、ソフトウエアの更新によって認識の精度を上げられるはずだ。また折り畳む速度に関してもTシャツなどは5―10分程度かかるが、最終的には3分程度にしたい。年に数回のソフト更新で性能を向上する。さらに将来はアイロンがけなどの新機能も追加する。もちろん普及に向けて、低価格化や小型化にも注力していく」

―家具と一体化の狙いを教えてください。

「家電は(家具との)垣根がなくなりつつあり、家電は家具のようにデザインへのこだわりが強くなっている。(家電が家具の機能も備えるようになれば)包括的な利便性を提供できる可能性がある。当社が(そうした分野に)進めば、事実上の標準を握れる。また、掃除ロボットによって家具(の脚材などの)形状が変わり、食洗機でキッチンの幅が変わったように、折り畳み機の投入により部屋の間取りなどにも変革があるだろう」

―ロボットやAIの技術動向をどう見ていますか。

「ロボットやAIが家電の進化を促しているのは間違いない。当社のロボット・AI技術者は10人程度と少ないが、ランドロイドの開発を進めていたところに現在のロボット・AIブームが起き、追い風になった。今後はロボットやAIの技術を取り込むほか、会員制交流サイト(SNS)など新しい分野も取り入れる。変わったことやればやるほど、喜ばれる時代でもある」

【記者の目/家電ビジネスに革新】
ランドロイドの特徴は、つまめば形状が変わる柔軟物を対象にし、畳む精度を改善できること。人が洗濯物を畳む行為そのものを再現した家電と言える。今はガジェット(目新しい機器)のような存在だが、現在のロボット・AI技術の進展状況を踏まえると「家電と家具の一体化」という概念は、いずれ当たり前になるかもしれない。暮らしの中に潜む固定化された課題を抽出し革新するモデルを追求していけば、家電ビジネスにパラダイムシフトを引き起こす可能性はある。(渡辺光太)

阪根信一社長


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日刊工業新聞2016年12月21日

昆 梓紗

昆 梓紗
12月21日
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洗濯物を投入すると、1枚当たり5―10分で畳み、種類や持ち主別に分けて出てきます。ロボット掃除機がそうであったように、市場投入することで新たな課題や展開も見えてくるでしょうし、ソフトウエアの開発も進みそうです。

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