シェアリングエコノミーの波に乗るダイムラー、ドイツで個人間のカーシェア開始

まずはミュンヘンで、ベンツ車以外も登録OK

 ダイムラーのメルセデス・ベンツ部門が、個人同士で車をレンタルするピアツーピアのカーシェアリングサービスをドイツ東部ミュンヘンでスタートさせた。「クルーブ(CROOVE)」と名付けたサービスで、ベンツ車に限定せず、他の車種のオーナーも会員登録できる。

 ドイツを筆頭に欧州はカーシェアリングが盛んな土地柄でもある。ダイムラーとしては世界的に大きなうねりとなっているシェアリングエコノミーをビジネスに取り込み、仲介料を新たな収益源としながら、車を貸して収入を得たい個人やサービス利用者に対する車の販売促進、さらに走行データ収集などに役立てる狙いがあるものと思われる。

 クルーブはスマートフォンのアプリを使ってシェアリング用に個人が登録した車を検索し、希望の車をレンタルできるサービス。とりあえずミュンヘンで試験的にサービスを開始し、ゆくゆくはドイツ全土に広げるという。

 対応するアプリは現在、iPhone用のみ。近いうちにアンドロイド版も出す予定。登録できる車は15年未満のもの、オーナーは21歳以上に限定し、写真付きで車種や車の状態、利用年数、利用料金、受け渡し場所などの情報をアプリで提供。アプリを介してキャッシュレスでの支払いも可能。ほかのユーザーやオーナーの参考になるよう、サービス終了後に互いの評価も残せる。

 ダイムラーはカーシェアリングに力を入れており、メルセデス・ベンツとスマートを貸し出すシェアリングサービス会社のカーツーゴー(car2Go、本社シュトゥットガルト)や、アプリによる配車サービス会社を傘下に持つ。うちカーツーゴーは2008年に事業を開始し、欧州に加え北米でもサービスを展開。「約200万人のユーザーを抱え、世界最大のカーシェアリング事業者」(ダイムラーのディーター・ツェッチェCEO)としている。

 そのツェッチェCEOは、9月に開かれたパリモーターショーの記者会見で、「コネクティビティー(C)、自動運転(A)、シェアリング(S)、電気駆動(E)というトレンドは、それぞれ単独で自動車業界の未来をひっくり返すポテンシャルを持つ。しかし、本当の革命はこれら4つのトレンドをインテリジェントに結びつけたところにある」と明言。4つのトレンドの頭文字を取った「CASE戦略」を推進していく方針を強調した。

 こうした戦略に沿う形で買収・提携戦略も加速しており、今年7月にダイムラーは2013年創業のスタートアップ、米フライトカー(FlightCar、サンフランシスコ)を買収した。フライトカーのビジネスモデルは、旅行者が空港に駐車しておいた車をほかの旅行者が使えるようにする独自のシェアリングサービス。買収に伴い、フライトカーが米国内の12の空港で提供していた全てのサービスを閉鎖し、同社の技術基盤をメルセデス・ベンツの米国R&D拠点に統合した。

 さらに、カーシェアリングのスタートアップである米ゲッタラウンド(サンフランシスコ)とも提携し、メルセデスとスマートのピアツーピアでのレンタルをサポートしている。

2016年12月18日付日刊工業新聞電子版
メルセデス・ベンツの発表

藤元 正

藤元 正
12月18日
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パイロットプログラムを立ち上げたのが、ライバルBMWのお膝元でもあるミュンヘンというのが気になるところ。

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