手術台もスマートに。川重がロボット技術と組み合わせ製品化

既存の手術室にも低コストで導入。医療ロボット事業拡大へ

 川崎重工業は、ハイブリッド手術室(HOR)用のロボット手術台「スマートベッド」(仮称)を2017年3月に商品化する。医療ロボットの開発を進める同社初の製品となる。ロボット技術を使った小型の機構で大がかりな装置が不要。既存の手術室にも低コストで導入できる。将来は開発中の手術支援ロボットとも組み合わせる。

 川重とシスメックスの共同出資会社のメディカロイド(神戸市中央区、橋本康彦社長)を通じて事業を進める。同社は医療ロボットの実用化を担う。19年度までに内視鏡手術を支援するロボットの実用化も目指している。

 スマートベッドはスライドや移動の機構を備え、ベッドの角度を細かく自由に動かせる。手術時に医師が適した角度に患者を動かすことが可能。高度な手術ほど患者の位置を精度良く動かすことで的確で安全に行える。

 また、各種画像診断装置まで患者を運ぶ際にも、狭い手術室で邪魔にならず、かつ撮影に適したベッドの姿勢に微調整するといった機能が必要なため、川重得意のロボット制御で対応する。

 小型省スペース、低コストを利点に病院などに提案する。生産は親会社の川重の明石工場(兵庫県明石市)で行い、クリーン度の高い施設を活用する。

 世界の医療ロボットは米イントゥイティブサージカルズの内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」や、がんの放射線治療を行う同アキュレイの「サイバーナイフ」が先行している。日本ではメディカロイドのほか、ベンチャー企業のリバーフィールド(東京都新宿区)などが手術支援ロボットの実用化を急いでいる。

日刊工業新聞2016年12月8日

明 豊

明 豊
12月10日
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ハイブリッド手術室とは磁気共鳴断層撮影装置(MRI)、コンピューター断層撮影装置(CT)などの画像診断装置と手術台を一体化した手術室。従来は手術と画像診断は別室での作業だった。ハイブリッド手術室は撮影しながら手術できるため、大動脈瘤治療や血管修復など高度な手術をクリーンでより安全に行えることから、今後需要が増えると見られている。

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