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日産が賭ける“ハイブリッドEV”、激戦車種に搭載へ

ミニバン「セレナ」に。先進技術のフラッグシップに
日産が賭ける“ハイブリッドEV”、激戦車種に搭載へ

ゴーン社長と新型「セレナ」

 日産自動車は2017年にミニバン「セレナ」に新駆動方式「eパワー」を搭載したグレードを追加する。現行セレナは簡易型のハイブリッドシステムを搭載したグレードがあるが、eパワーを加えることで、より環境性能を高めた品ぞろえとする。セレナは自動運転技術「プロパイロット」が好評で販売が好調。最新の環境技術を追加して、競争が激しい日本のミニバン市場で拡販を図る。

 簡易ハイブリッドシステム(マイクロハイブリッド)を搭載したグレードの燃費(JC08モード)はガソリン1リットル当たり最高17・2キロメートル。eパワー搭載車はこれを大幅に上回る見込み。

 eパワーはガソリンエンジンで発電した電気を使ってモーター駆動する方式。エンジンは直接駆動に使わず、簡易ハイブリッドシステムより燃費を高めやすい。電気自動車(EV)のような加速性能が出せる。11月に発売した小型車「ノート」に初めて搭載し、発売から3週間の受注全体のうち8割がeパワー搭載車となっている。

 セレナは普及価格帯としては初めて「レベル2」の自動運転技術「プロパイロット」を搭載し、8月に発売。購入者の6割がプロパイロット搭載車を選んでいる。eパワーを追加し、先進技術で販売をてこ入れする。

 ミニバンはファミリー層に人気で最近は環境性能も高まっている。14年に発売したトヨタ自動車の「ヴォクシー/ノア」のハイブリッド車(HV)は同23・8キロメートル。ホンダの「ステップワゴン」は15年の全面改良でターボを使って同17・0キロメートルとしたが、今後HVを設定する計画だ。


日刊工業新聞2016年11月29日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
小型車「ノート」の受注台数は、発売後約3週間で月販目標の2倍となる2万台を超えた。このうち新駆動方式「eパワー」を搭載したグレードは約8割を占めたという。「セレナ」への展開は予定通りではないか。量販車種に搭載しコストを下げていく。日本市場ではミニバンで負けるわけにはいかない。

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