伊藤忠社長「(ユニー・ファミマは)子会社化せず」

コンビニ事業、「商社的発想で取り組むのは難しい」

 伊藤忠商事の岡藤正広社長は24日、日刊工業新聞社の取材に応じ、9月に発足したユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)について、子会社化せずに今後も持ち分法適用会社としての関係を維持する方針を明らかにした。伊藤忠はユニー・ファミマHDの経営が軌道に乗るまでの支援を担い、「営業活動は彼らに任せる」(岡藤社長)ことで、コンビニエンスストア事業の成長を後押しする。

 ユニー・ファミマHDに対する伊藤忠の出資比率は、ユニー・ファミマHD設立時点で33・4%。今後、同社株を5%未満の範囲で買い増す計画だが、持ち分法適用会社の関係にとどめる。大手商社のコンビニ事業では、三菱商事がローソンを2017年2月をめどに子会社化する方針を決めており、伊藤忠の対応が注目されている。

 岡藤社長は、売り場構成や商品開発のノウハウが求められるコンビニ事業について「商社的発想で取り組むのは難しい」と認識。そのため「彼ら(ユニー・ファミマHD)に任せ、我々は経営の方向性などを決めるまでを見る形が良い」とした。

日刊工業新聞2016年11月25日



(伊藤忠のセグメント別の当期純損益)

コンビニ最終戦争へ


 「“最終戦国時代”に仲間か仲間じゃないかを、はっきりさせようじゃないか」。玉塚元一ローソン会長は中堅同業との連携を進める狙いをこう語る。セブン&アイ・ホールディングス(HD)はエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングと資本業務提携に基本合意し、関西圏のセブン―イレブンに阪急阪神グループの「Sポイント」の導入を目指す。国内の消費が停滞している中、大手コンビニエンスストア3社の“陣取り合戦”は、さらに激化している。

 ローソンは2014年にポプラ、16年4月にスリーエフと資本業務提携契約を結び、それぞれと共同運営する店舗の出店を今秋、本格的に始めた。「ポプラさん、スリーエフさんは仲間。ダブルブランド店舗の売り上げは伸びている」と玉塚ローソン会長は手応えを語る。

 再編が進む中、イオン傘下でコンビニ業界4位のミニストップの動向が注目されている。玉塚ローソン会長はミニストップについて「完全な味方。(ローソンの店頭端末)ロッピーや(イオンの電子マネー)ワオンが(相互の店舗に)入っている」と評する。

 ただ、統合などについては「踏み込んでいない。イオンの意向もあり簡単に進む話ではない」と語る。宮下直行ミニストップ社長も「イオンにとってミニストップは資産」とし、独自性を維持したい考えだ。

 ファミリーマートは9月、ユニーグループ・ホールディングス(HD)と経営統合した。運営するコンビニ店舗数は1万8000店超となり、最大手のセブン―イレブンに次ぐ規模となった。沢田貴司ファミマ社長は「(店舗の1日当たり平均売上高である)日販はセブン―イレブンと差が開いている。量がないと質もついてこない」と強調する。

 一方、井阪隆一セブン&アイ・HD社長は「『量に質がついてくる』というのは幻想」と切り捨てる。同社は10月6日に発表した中期3カ年計画で、国内のセブン―イレブンの拡大戦略を見直し、出店基準を厳しくするとともに、閉店を加速する方針を打ち出した。実際、国内店舗の9月の純増数は1にとどまった。日販で他の競合他社を10万円以上引き離すセブン―イレブンにも、事業環境の厳しさは影響を及ぼしている。

 百貨店やスーパーマーケットと比べ、これまで比較的順調だったコンビニの業績。16年3―8月期はローソン、統合前のファミマがともに本業のもうけを示す営業利益が減益になるなど、さえなかった。中堅コンビニの状況はさらに厳しい。スリーエフは同期間で2期連続の営業赤字、ポプラも赤字に転落した。市場が飽和状態にある中、生き残りを探る動きが続く。

日刊工業新聞2016年10月19日



 

明 豊

明 豊
11月27日
この記事のファシリテーター

ある意味は当然といえば当然だろう。まだファミマとユニーの融合すらできていないというか始まっていない。ただHDか統合に手間取りガバナンスが働かない状況が続けば、伊藤忠の介入は必要になるかもしれない。

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