「スマートウエア」と「超音波スピーカー」で最適な運動リズム指示

立命館大学が東洋紡、オムロンヘルスケアなどと開発

 立命館大学は、着るだけで心拍数を測れる「スマートウエア」と超音波スピーカーを組み合わせ、運動中の人に運動強度の上げ・下げを音のテンポで指示するシステム(写真)を開発した。心拍数が既定値を上回った場合、音のテンポを下げて運動を弱めるよう促すなど、個人に最適な運動のペースを提案できる。

 超音波は直進性が強く、「広い体育館の一部分」など範囲を絞って音を届けられる。例えば、体育館のフロアを子供用、大人用、高齢者用の三つに区分けし、各エリアごとに超音波スピーカーから異なるテンポの音を流して運動のペースを指示することが可能。「一つの空間を有効活用できる」と、同大学スポーツ健康科学部の伊坂忠夫教授は話す。

 同システムは、文部科学省の「革新的イノベーション創出プログラム(COI)」の一環で開発。スマートウエアの開発は、東洋紡やオムロンヘルスケアなどが手がけた。

日刊工業新聞2016年11月24日



東洋紡の「スマートウエア」技術は、すでに競走馬向けで実用化


 東洋紡の開発したフィルム状導電素材「COCOMI」が競走馬専用心拍数測定用腹帯カバー(写真)に採用された。Anicall(横浜市鶴見区、塙章社長、045・718・5497)が「Horsecall(ホースコール)」として発売した。消費税抜きの価格は18万5000円。同素材の使用で馬体への密着性が高まり、全力疾走中の馬の心拍を安定して測定できる。


(東洋紡の開発したフィルム状導電素材「COCOMI」が競走馬専用心拍数測定用腹帯カバーに採用)

 COCOMIはウエアラブルデバイス用の電極・配線材向けフィルム状導電素材。伸縮性のある導電シートを絶縁シートで挟んだ構造で、伸縮性に優れ、薄く、電気抵抗が低いという特徴がある。

 馬用のウエアラブルデバイスは既に市販されているが、安静時やランニングマシンでの運動時の心拍は測定できるものの、全力疾走している競走馬の心拍を安定して測定できるものはなかった。

日刊工業新聞2016年7月4日

斉藤 陽一

斉藤 陽一
11月25日
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 立命館大学の伊坂教授は「リアルタイムに測定した心拍数を基に運動の強度を指示してあげることで、運動のしすぎを防げる」と語っています。なお東洋紡のスマートウエア技術は記事にある競走馬用のほか、カーレースのドライバーの心拍数計測などにも実験的に用いられているようです。22日の記者会見で披露したスマートウエアは「洗濯ネットに入れた状態で洗濯機で洗う実験で、現時点で100回までの洗濯に耐えられることを確認済み」(東洋紡コーポレート研究所快適性工学センターの石丸園子部長)とのことです。

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