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「私にとっての集大成」 北陸重機の創業者が送り出すディーゼル機関車

全長18・66メートル、カイロ地下鉄で故障した客車を救援
「私にとっての集大成」 北陸重機の創業者が送り出すディーゼル機関車

カイロ地下鉄向けのディーゼル機関車

 北陸重機工業(新潟市東区、霜鳥雅徳社長)は、エジプトのカイロ地下鉄向けのディーゼル機関車を完成した。同社が手がけたディーゼル機関車の中で全長が18・66メートルと最長であることから、創業者の霜鳥会長は「達成感を感じる。私にとっての集大成だ」としている。

 このディーゼル機関車はカイロ地下鉄1号線本線で、故障した9両編成の客車(総車両重量450トン)を救援する際に使用する。また軌道工事時の作業車や貨車のけん引にも用いる。総重量は80トンで、全幅2・98×高さ3・8メートル。

 このほどカイロ地下鉄から技術者が来日して行った検査に合格した。これを分解せずに完成品のまま、新潟港から船でエジプトのアレクサンドリア港まで運ぶ。12月下旬に現地に到着する見通しで、検収に合格した後、配備される。

 今回のディーゼル機関車は政府開発援助(ODA)の資金を原資とした無償資金協力事業で、エジプトの開発への協力の一環として2国間援助プロジェクトの中で使用される。

 これまでに同社は15カ国にディーゼル機関車などを納入した実績がある。霜鳥社長は「ODAは日本の資金供与とはいえ、国際競争入札になる。鉄道プロジェクトが数多く出てくる中、ぜひとも日本企業として参画し、受注していきたい」と語った。
日刊工業新聞2016年11月7日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
ディーゼル機関車は観光用のイメージも強いが、昨年、米GEは1000両(受注額は3000億円超)を受注するなど新興国を中心に商用としてもビジネスは大きい。

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