Jリーガーの足元支える自動散水システム、「人工竹垣」のパイオニア企業が手がける

 グローベンは人工竹垣のパイオニア。2010年7月に服部吉剛が2代目社長に就任し、主力の人工竹垣だけでなく、自動散水システムや雨水タンク、池を中心とした水景管理システムなど“屋外の水回り”を対象にした製品開発を本格化した。今も昔も、技術力を基盤にしたニッチトップを目指す経営を続けている。

逆風下の投資


 人工竹垣は同社が開発した製品。雨風にさらされる屋外でも耐久性が高いため、日本庭園や大衆浴場など幅広い場面で使われる。近年は、海外で日本庭園の美しさが評価されており、地元富裕層の自宅庭園などでも手入れが簡単だと取り入れられることが増える。

 しかし、国内の人工竹垣を取り巻く市場環境は、厳しい状況が続いている。住宅着工数の減少とともに住宅の洋風化が進み、竹垣の市場は縮小傾向。同社の売り上げもここ数年で減少している。そんな市場環境の中、服部は就任して間もなく竹垣生産への設備投資を決めた。

 「創業からのアイデンティティーの確立、社内外へ今後も人工竹垣に注力するとアピールすることが目的だった」という。6月には天然竹の柄や竹節部分を忠実に再現し、接着材で壁などに貼り付けられる新しい用途の製品を投入。素材や成形方法などの改良に6年費やした自信作だ。

屋外水回りも


 人工竹垣とともに同社を支えるのが屋外の水回りシステムで、売り上げの半分を占める。主力の自動散水システムは、Jリーグのサッカー場やゴルフ場など細かな管理を要求する場所に納入する。

 また本社敷地内には実験場を設けている。自動散水システムだけでなく、池を中心とした水景管理システムや雨水タンクで、実際に想定されるトラブルを試して対処法を蓄積する。服部は「メンテナンス面でも自信を持って販売できる体制を整える」と胸を張る。

 服部は、創業者で現会長の服部崇を「下請けではなく自社ブランドの追求で知名度を上げた」と経営手腕を尊敬する。そして「2代目の仕事は従業員の能力を引き出し、会社の組織力を上げることだ」として就業規則や人事評価制度の見直し、本社移転などを行った。

 今後も他がやらないニッチトップを目指し、「社長在任中に全盛期の売上高17億円、そして20億円まで伸ばしたい」と意気込む。

(敬称略、文=名古屋・一色映里奈)

【企業プロフィル】
▽住所=名古屋市港区本星崎町字南3998の31▽社長=服部吉剛氏▽設立=80年(昭55)7月▽売上高=約10億円(15年12月期)

日刊工業新聞2016年11月1日

斉藤 陽一

斉藤 陽一
11月08日
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 どこのサッカー場に納入しているのか気になります。同社ホームページの施工事例の写真は、近々国際親善試合が開かれる「あのスタジアム」のような気もするのですが・・・。いずれにしても、ヒートアイランド対策の一環として学校校庭やビル屋上などの芝生化が広がれば、同社のビジネスチャンスもさらに拡大しそうです。

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