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「ドローンでバードストライク撲滅を」、東大生のアイデアが最終選考へ

欧州エアバスの「Fly Your Ideas」コンテスト、日本チームでは初
「ドローンでバードストライク撲滅を」、東大生のアイデアが最終選考へ

ドローンで鳥を誘導する東京大学のアイデア(エアバス提供)

 欧州航空機大手エアバスが主催する大学生向けのアイデアコンテストで、東京大学の学生チーム「BIRDPORT」が、日本のチームとしては初めて最終選考に選ばれた。エアバスが13日発表した。飛行ロボット(ドローン)を活用してバードストライク(鳥衝突)を軽減しようというアイデアで、オランダや中国チームなど他の4チームとともに5月27日の最終ラウンドに臨む。

 同コンテストは「Fly Your Ideas」(フライ・ユア・アイデア)という名称。エアバスが未来の航空輸送に関する斬新なアイデアを募り、人材育成につなげる目的で、2009年から隔年開催してきた。4回目となる今回は104カ国から518チーム、総勢3700人が参加。書類選考を通過した約100チームにはエアバスの従業員がつき、アイデアをブラッシュアップ。今回はその中からさらに、東大チームを含む5チームが選ばれた。

 東大チームのアイデアは、ドローンを使って空港周辺の鳥を人工巣まで誘導するというもの(写真参照)。「バードポート」と名付ける人工巣では、鳥の鳴き声やデコイ(おとり用の鳥)を用いて自然で安全な環境を作る。チームのメンバーは、大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻や、工学部システム創成学科などに所属する5人で構成されている。

 ほかの4チームのアイデアは、次の通り。
▽オランダのデルフト工科大学
 翼の固有振動や伸縮からエネルギーを採り入れられる複合材の外板を航空機の翼に取り付ける

▽中国の西北工業大学
 ゲーム機のモーションセンサー技術を、地上走行中に使用する航空機誘導システムに応用する

▽ブラジルのサン・パウロ大学
 機内で出るごみを削減し、フライト後のゴミ収集と分別にかかる時間を短縮する
 
▽英国のシティ大学ロンドンの4チーム
「WEGO」システムを利用して地上走行中にエネルギーを集める

最終ラウンドは5月27日にドイツ・ハンブルクで行われ、最優秀チームには賞金3万ユーロ(約400万円)、2位のチームには1万5000ユーロ(約200万円)が贈られる。
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日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
日本の大学では初の最終ラウンド選出とのこと。結果が気になるところです。5チームのアイデアを見比べると、身近なものや話題のものを航空機に応用しよう、という発想が多い気がします。

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