“ほろ酔い”消費を狙え!「3%のお酒」が売れてる理由
缶チューハイ「ほろよい」や「カルピスサワー」が人気に
消費者の健康志向が強まる中、酒類でアルコール度数が低い商品の売り上げが拡大している。サントリースピリッツは缶チューハイ「ほろよい」ブランドの2016年販売目標を、当初計画より110万ケース(1ケースは250ミリリットル24本換算)多い1350万ケース(前年比10%増)に上方修正。アサヒビールも度数3%の「カルピスサワー」などが好調という。サッポロビールは低アルコールワインを9月6日に発売する。無添加・無着色、翌日の体調に響きにくいといった安心感などを強みに、低アルコール市場を深耕する。
サントリースピリッツのほろよいの対象客層は、20―30代の男女。白いサワー、白ぶどう、アイスティーなど主力6商品と期間限定商品があり、飲みやすくやさしい味わいが特徴だ。8月2日には顧客のキャンペーン投票で開発商品を決めた「白いサワー 香るマスカット」を発売するなど、若者需要をうまく取り込んでいる。
アサヒビールのカルピスサワーは、新商品の白桃味を6月7日に発売したのが奏功し、6月の売り上げは前年同月比47%増。1―6月の累計もプラスで推移している。リンゴが原料の「ニッカシードル」は、青森県特産の黄色いリンゴを使用した「トキりんご」を発売。アルコール度数3%の飲みやすさに加え、無添加・無着色の安心感が消費者に受け入れられたと見ている。
ワイン市場で低度数商品を仕掛けるのはサッポロビール。9月に度数3%の赤・白ワインを投入する。開栓しやすいスクリューキャップで、消費税抜きの価格は500円。度数が低く気軽に飲める。同社の調査によると、ワインは好きだが度数が10数%と高いため、家事や翌日の仕事を考えて他の酒類に流れる消費者が多かった。平日でも気軽に飲める低アルコールワインで新市場を開拓する。
一方、キリンビールは健康志向を深掘りする。痛風などの原因となるプリン体が“ゼロ”を特徴とする第3のビール「のどごしオールライト」を、9月20日に刷新する。原料に新たなホップを追加し、原材料配合も見直してよりビールらしい味にした。体への負担が軽く、気兼ねなく飲める特徴を訴求する。
酒類メーカーの多くは、度数が高い缶チューハイやビール開発に積極的だ。度数を高くすることでコクやキレを高める狙いがある。
一方で、酒類ユーザーは20―30代や女性が着実に増えており、これらの層では二日酔いするほど飲みたくないと考える人が多い。中高年層も高齢化で、健康が気になる。
1990年前後のバブル景気時は酒類消費も増えたが、最近は家飲みで「ちょっとリラックスしたい」との理由で消費する人が多いという。“3%の酒”は、そうした消費者ニーズに合った商品と言えそうだ。
(文=嶋田歩)
若者需要をうまく取り込む
サントリースピリッツのほろよいの対象客層は、20―30代の男女。白いサワー、白ぶどう、アイスティーなど主力6商品と期間限定商品があり、飲みやすくやさしい味わいが特徴だ。8月2日には顧客のキャンペーン投票で開発商品を決めた「白いサワー 香るマスカット」を発売するなど、若者需要をうまく取り込んでいる。
アサヒビールのカルピスサワーは、新商品の白桃味を6月7日に発売したのが奏功し、6月の売り上げは前年同月比47%増。1―6月の累計もプラスで推移している。リンゴが原料の「ニッカシードル」は、青森県特産の黄色いリンゴを使用した「トキりんご」を発売。アルコール度数3%の飲みやすさに加え、無添加・無着色の安心感が消費者に受け入れられたと見ている。
ワイン市場で低度数商品を仕掛けるのはサッポロビール。9月に度数3%の赤・白ワインを投入する。開栓しやすいスクリューキャップで、消費税抜きの価格は500円。度数が低く気軽に飲める。同社の調査によると、ワインは好きだが度数が10数%と高いため、家事や翌日の仕事を考えて他の酒類に流れる消費者が多かった。平日でも気軽に飲める低アルコールワインで新市場を開拓する。
一方、キリンビールは健康志向を深掘りする。痛風などの原因となるプリン体が“ゼロ”を特徴とする第3のビール「のどごしオールライト」を、9月20日に刷新する。原料に新たなホップを追加し、原材料配合も見直してよりビールらしい味にした。体への負担が軽く、気兼ねなく飲める特徴を訴求する。
二日酔いするほど飲みたくない
酒類メーカーの多くは、度数が高い缶チューハイやビール開発に積極的だ。度数を高くすることでコクやキレを高める狙いがある。
一方で、酒類ユーザーは20―30代や女性が着実に増えており、これらの層では二日酔いするほど飲みたくないと考える人が多い。中高年層も高齢化で、健康が気になる。
1990年前後のバブル景気時は酒類消費も増えたが、最近は家飲みで「ちょっとリラックスしたい」との理由で消費する人が多いという。“3%の酒”は、そうした消費者ニーズに合った商品と言えそうだ。
(文=嶋田歩)