部品加工は「失敗できない重圧との戦い」

下町ボブスレー、製造のキーパーソンに聞く

 関鉄工所は下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会で、フレームの穴あけ加工など各種部品の加工を担当する。関英一社長は図面を加工しやすく工夫して協力企業に渡す「開発チーム」のほか、氷に接する刃部分であるランナーの加工に挑む「ランナーチーム」の一員でもある。製造に深く関わるキーパーソンに話を聞いた。

 ―部品加工で苦労することはありますか。
 「技術的には本業の範囲内であり、大きな苦労はない。ただ当社では何社も経て最後の仕上げに近い状態になった部品を加工する。そのため毎回“失敗できない”というプレッシャーと戦っている」

 ―ランナーの製造に関する進展状況は。
 「材料はあるが、大きいモノの複雑加工で時間もかかるため、作るのが難しい。本来、ランナーはコースや当日の状況によって変えるのが理想的。なるべく多くの種類を作りたい。協力メンバーを募集中だ」

 ―東京都大田区のネットワークに影響はありましたか。
 「強固な信頼関係の構築で、仕事の依頼先を紹介し合えるようになった。従来、大田区では各社に協力企業がある。紹介し合うことでネットワークも仕事の幅も広がった」

 ―プロジェクトを通じて、これから大田区でやりたいことは。
 「町工場の減少を食い止めたい。プロジェクトをきっかけに大田区全体で仕事を増やせば、若い人に“もうかる”というイメージがつく。独立する人を、そしてモノづくり人口を増やしたい」

【大型部品を加工、複雑形状に対応】
 関鉄工所は産業機械・装置の部品加工、組み立て・修理を手がける。神奈川県座間市の工場には、大型部品の加工設備を持つ。高精度の機械や装置を生み出し続けている。

 小型、大型問わず多種多様な部品を加工する。加工には、ワーク(加工対象物)を挟んで固定するバイスを使わない。独自の方法で固定するため、複雑形状のワークであっても加工できる。

 また社内に設備がない場合、区内協力企業に駆け込んで加工を依頼する。大田区という地の利を生かし、短納期を可能にしている

日刊工業新聞2016年7月27日 中小企業・地域経済面

斉藤 陽一

斉藤 陽一
07月29日
この記事のファシリテーター

ランナー製造は、1メートル以上の長い金属を3次元の複雑形状に加工して作られるようです。

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。