セルフメディケーション税制は大衆薬市場を喚起するか

スイッチOTC薬も続々。2025年に1・8兆円市場に

 生活者が自分自身の健康に責任を持ち、軽度な体の不調に関しては自ら手当をするセルフメディケーションの重要性が増している。例えば、風邪ぎみのときにドラッグストアや薬局でOTC医薬品(大衆薬)を購入し、適切に服用すれば症状の悪化が防げる場合もある。結果として、膨張し続けてきた医療費の抑制につながることも期待される。2017年1月からはセルフメディケーション推進税制の運用も始まる見通しだ。

 日本OTC医薬品協会(OTC薬協)は15年5月、25年度の国内OTC医薬品市場が15年度見通し比63・6%増の1兆8000億円になるとの予測を発表した。

 15年度の同市場(小売りベース)は1兆1000億円で、25年度まで年率約5%の成長を見込んだ。この前提としたのが、OTC医薬品を購入した世帯に対する所得控除制度の創設。医療費の削減や疾病の早期治療を促進するといった観点から同制度の必要性を訴えてきた。

 国もこれを認め、16年度税制改正大綱ではセルフメディケーション推進税制が盛り込まれた。17年1月からは、医療用医薬品の成分を転用したスイッチOTC薬の購入額が年間1万2000円を超える場合、8万8000円を限度に所得控除される。

 従来、スイッチOTC薬は久光製薬のアレルギー専用鼻炎薬「アレグラFX」などがあったが、今後は各メーカーの品ぞろえがさらに進みそうだ。

 杉本雅史OTC薬協会長(武田薬品工業ジャパンコンシューマーヘルスケアビジネスユニットプレジデント)は、「新税制の創設にめどが立ったことは大変大きな一歩。今後、広く活用されるようにさまざまな取り組みを進めていきたい」と話す。業界あげての啓発活動で、新税制に関する消費者の理解が深まるか。

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
02月24日
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足元では訪日外国人の「爆買い」需要もあり、国内OTC市場は堅調に推移しています。ですが今後は消費増税も予定されているなど、明るい材料ばかりではありません。セルフメディケーション税制の存在を知らない消費者もまだまだ多いと推察されるだけに、小売店を巻き込んだ的確な周知活動を展開する必要がありそうです。
(日刊工業新聞社第ニ産業部・齋藤弘和)

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