壁の向こうにいる人物の輪郭を高周波信号で画像化、MITがソフト開発

高齢者ケアやスマートホーム用センサーなどで実用化へ

 壁を通して、その向こうにいる人物の大まかな輪郭やその動作まで、画像として見ることができるソフトウエアを米マサチューセッツ工科大学(MIT)が開発した。見られる人間の方はセンサーを装着したりする必要が全くなく、壁越しに無線の高周波を照射し、反射してきた信号から人の輪郭画像を作り出す。まずエメラルドホームというスタートアップ企業を通じて、高齢者ケアなどの分野で実用化を狙う。

 MITコンピューター科学人工知能研究所(CSAIL)の大学院生の「もし、無線LANに使うWiFiの電波で壁を通して見ることができたら」というユニークな発想から開発された。人間に当たって反射してきた信号から、赤、オレンジ、黄色、緑で色分けされたヒートマップのような画像を得ることができる。はっきりした画像ではないものの、頭や胸など体の部位も大まかにわかり、時系列で動いている画像を融合させれば、より精度の高い人体画像を得ることができる。

 これによって、壁の向こうにいる人が今どういう動きをしているか、あるいは姿勢をしているかまで検出できる。例えば、空中に指で文字を書いたりする場合も、指の動きを高い精度で読み取ることができ、マイクロソフトのジェスチャー信号入力装置であるキネクト(Kinect)の読み取り結果と比較しても、2cm程度の違いしかなかったという。

 複数の人間がいた場合には、体の部位ごとの特徴でそれぞれの人間を判別できるという。実験によれば、5人の場合で95%、15人の時には88%の正確性でそれぞれの画像の人物を見分けることができた。子供や老人のケアのほか、テレビゲームや、警察、軍事関係などへの応用も見込んでいる。

ニュースイッチオリジナル
MIT CSAILのサイト

藤元 正

藤元 正
12月24日
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この技術について「X線視力が実現」と書き立てるメディアもあるが、ユーチューブのデモを見る限り、それほどはっきりした画像ではない。特に軍事関係では高い精度を要求されるだろうが、はっきりした画像であればあるほど、民生用ではプライバシーなどの問題が浮上する。「高齢者が倒れている」というレベルでの検出能力が妥当なところか。

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