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オムロンがドイツ「インダストリー4.0」規格のFA機器をいち早く投入

どうする三菱電機!?
オムロンがドイツ「インダストリー4.0」規格のFA機器をいち早く投入

オムロンはFAとITがつながる新たな仕組みを提供する(PLC)

 オムロンは年内をめどに、ドイツの産業政策「インダストリー4・0(I4・0)」で標準通信規格とされる「OPC―UA」に対応したプログラマブルロジックコントローラー(PLC)を投入する。日本の工場自動化(FA)用PLCとしては初のOPC―UA対応となる見通し。欧州で普及が進む同規格に対応し現地市場の開拓につなげる。また国内をはじめ他地域でもFA機器とITシステムの融合が求められると予測し、双方の連携を可能にする同規格を推進する。

 新PLCではOPC―UAを介し、他のFA機器のほか解析ソフトなど上位システムとの連携も可能にする。FAとITがつながる新たな仕組みを提供し、工場における稼働データの収集・活用などを促すのが狙いだ。

 OPC―UAは今年4月にドイツで発表された「I4・0実践戦略」で標準の通信規格に規定されている。同国のシーメンスやベッコフオートメーションなど欧州の制御機器メーカーは同規格に対応した製品を既に手がけ、I4・0を追い風に拡販を図っている。このためオムロンもOPC―UA対応製品を投入し、競合に対抗する。

 OPC―UAは現場の機器、上位システムなどの間で各種データを伝送するための産業用オープン規格。セキュリティーレベルの高さや、特定メーカーが提供する環境に依存せず採用できる点などが特徴だ。I4・0の動きに限らず国内外の製造業でITとの融合が構想される中、異なるメーカーの機器や上位システムを連携させるネットワークとして期待されている。

 他のFA機器大手も同規格の対応品を開発しているとみられ、今後普及が進む可能性がある。
日刊工業新聞2015年11月16日1面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
三菱電機は国内のPLC市場でガリバー。ゆえに既存事業と独自規格どう守るかというジレンマもある。規格の標準化の重要性は十分理解しているが、事業本部を超越した経営判断をどのタイミングで行うか。

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