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米国で先行するドライブスルー型ネットスーパーは日本に根付くか

米ウォルマートが展開し、アマゾンも計画する次の流通のカタチ?
米国で先行するドライブスルー型ネットスーパーは日本に根付くか

ウォルマートのドライブスルー店

 ドライブスルー機能を備えたネットスーパーは今後普及するか―。米国ではウォルマートストアーズが展開を始めたほか、アマゾンもドライブスルー型の拠点で、ネットで注文した商品を受け取る仕組みの準備を開始したという。日本の流通業界には米国のトレンドが3―5年遅れて入ってくる傾向があり、今後の動向が注目される。
 
 ウォルマートは昨年からアーカンソー州でドライブスルー型のネットスーパーの展開を始めている。外部から顧客は入れない、倉庫型のいわゆる「ダークストア」だ。中には商品をストックし、ネットで注文を受け、指定の時間に顧客が受け取りに行く。自動車に乗ったままパーキングに設置したパネルを操作すると従業員が注文した商品を届けてくれる仕組みだ。

 一部の米国メディアの報道によると、ネット通販のアマゾン・ドット・コムもカリフォルニア州で、ネットで注文した生鮮食品を含めた商品をドライブスルー型で受け取れる拠点の開設を当局に申請した。

 流通の2大巨人がドライブスルーに乗り出したのは、国土が広く自動車社会の米国ならではといえるが、翻って日本ではどうか。現在同じようなドライブスルー型ネットスーパーは和歌山県が地盤のオークワが大阪府、三重県にある計2店で運営している。

 配達エリアの制限を受けず、一定の時間がたてば店舗に取りに行ける、宅配時間を気にする必要がないなどメリットがある。例えば三重県の店舗では12時までに注文すれば、当日15時から17時半まで受け取り可能。翌日なら13時から17時半まで受け取れる。

 しかしオークワのドライブスルー型店は開業から約5年が経過するが、「日に20件も30件も利用者があるわけではない」。オークワの取り組みは時期尚早だったのか。積極的にPRしていないことも一因と見ており、今後拡大に向けて検討していく方針だ。

 ネット通販市場は急激に拡大しており、さまざまなビジネスモデルが生まれている。自宅の不在率が高いといった状況もあり、ネットスーパーのドライブスルー型店舗も増加するかもしれない。
日刊工業新聞2015年08月26日 建設・エネルギー・生活面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
車社会の米国ではドライブスルー型のネットスーパーは便利。 日本は近隣にコンビニや、スーパーなどが数多くあります。一つの流通形態として定着するかどうか。

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