加工時間が3割短縮、日立建機が国内5工場をIoT化

「スマートファクトリー」へ各社の取り組み活溌化

 日立建機は茨城県内の5工場で、IoT(モノのインターネット)を活用し、加工能力を常に最適化するシステムを2017年度中に構築する。週1回の頻度で約300台の設備から加工状態を収集し、それを基に最適な加工条件を割り出して各設備に適用する。担当者の経験に頼りがちだった加工条件の設定を自動化できる。設備ごとの稼働のばらつきが減り、生産効率の向上が見込める。

 日立建機はIoTを活用した生産改革として、土浦工場(茨城県土浦市)や霞ケ浦工場(同かすみがうら市)で、加工対象物(ワーク)にセンサーを付けて生産状況の把握を進めてきた。第2弾として、生産設備のデータ収集による稼働改善に乗り出す。

 主にマシニングセンター(MC)や数値制御(NC)旋盤を対象に、加工条件を週1回収集することを想定する。専用ソフトウエアを使って、集めた条件から推奨できる条件を提示するシステムを作る。最適な加工条件を各設備に水平展開でき、製造ラインの担当者が改善活動を進めやすくなる。

 一部実証に着手しており、MCによる変速機部品の加工時間は約3割短縮した。加工条件の設定は作業者の技量や経験に左右されがちで、設備運用にばらつきが出るという。新たな部品を製造する際の工程設計にも最適な加工条件を反映する。

日刊工業新聞2017年9月12日

川上 景一

川上 景一
09月01日
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 日立建機が、国内工場のIoT化を進める。記事によると、一部の加工時間が3割短縮したそうだ。現場の工夫や改善で「3割」を実現するのは難しい。自社工場全体に広げるとなるとなおさらで、IoTの潜在力の活用が重要になる。
 10月のCETAEC JAPANでは「スマート工場」に関する展示やコンファレンスが一つの見どころだ。ファナック、アマダ等の機械メーカーと三菱電機、オムロン等の電機メーカーの出展が一堂に会する。初日の3日(火)には、ファナックの稲葉会長兼CEOが「IoTによる知能化工場への挑戦 ~FIELD system~」というキーノートスピーチを行い、5日(木)の「スマートファクトリーシンポジウム」では、上記出展企業の経営幹部によるパネルディスカッションで将来像が描かれる。最終日の6日(金)には、「ものづくりの将来像について~Connected Industries 工業会連携対話~」が開催される。来場する経営者の方々に、データを活用した「スマート工場」の取り組みを始める機会として、活用いただきたい。

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