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AIがバストアップ写真だけで審査する美少女コンテスト。優勝者はどんな顔?

ファッション通販サイトと芸能プロが23日まで開催
 人工知能(AI)が人の顔を審査する―。ファッション通販サイトを運営するdazzy(デイジー、東京都港区、下井大学社長)は、大手芸能プロダクションのレプロエンタテインメント(東京都品川区)とAIによるオーディションを23日まで開催している。応募者3000人に迫るペースでなかなかの好評ながら、初の試みで運営は手探りだという。

 「聞いたことがなかったし面白い企画。ぜひやりたいと思いました」。今回のオーディション「Miss.AI―人工知能が選ぶ、美少女オーディション」の運営を担当するデイジーの藤田大輔取締役によると、レプロからAIシステムに詳しい企業と組みたいと声がかかったという。

 デイジーは、接客業向けのドレス通信販売サイト「デイジーストア」の運営や、サイトの改善にAIシステムを採用した実績を持ち、それが認められた。

 審査員となるAIは東京大学とイー・ガーディアンが開発した画像認識システム「ロカソリューション」。2016年にテレビの企画で、タレント名鑑の男性芸能人5000人の顔を学習し、“イケメン度”を数値化するシステムを開発した実績などからレプロが選んだという。

 オーディションでは、タレント名鑑に載る女性芸能人の顔サンプル8000枚をAIが学習して、特徴や共通性を判断に生かす。

 少数の人間が審査するとどうしても個人の好みが反映する。AIならデータを基にした公平で正確な審査が期待できる、というのがAIを採用した理由だ。

 応募開始の6月26日から7月の上旬まで、すでに約1600人の応募があった。試しにAIに100点満点で判定させたところ、人の評価と異なって面白い。

 応募には顔の画像のほか名前と住所、SNSの連絡先を記入する。「住所をネットで送ることに抵抗があるのでは」(藤田取締役)という懸念があったが、初日に約300人が応募し好評だ。

 AIに審査されることにも抵抗はない様子で、スマートフォンを気軽に使う若い世代らしい感覚かもしれない。デイジー販売促進部の金澤七重さんは「スタイルや内面を見ない純粋な顔だけの審査が好評の要因かもしれない」と分析する。

 グランプリ発表は31日。何人を表彰するかは今後詰める。評価上位の応募者にはレプロがコンタクトを取ることは決まっている。

 デイジーも受賞者を通販サイトのモデルに採用する。ただ、藤田取締役によると、AI評価の点数については「非公開にする」という。
                     

(文=石橋弘彰)
日刊工業新聞2017年7月17日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
デイジーのウェブサイトを見にいくと、いきなりキャバクラ嬢向けのドレスが出てきました。AIにどのような学習をさせているのかによって、「美しい顔」の基準は変わってくるでしょう。果たして、夜のお姉さん系が上位にランクするのか、はたまた清楚系か。結果が楽しみです。

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