実用化の期待大、カーボンナノチューブ使った高速半導体メモリー
米ベンチャーのナンテロ、新たに3150万ドル調達
直径が髪の毛の5万分の1しかなく、鋼鉄の50倍の強度を持つという微細な炭素系材料「カーボンナノチューブ(CNT)」。この円筒形状のナノ素材をNRAM(不揮発性ランダムアクセスメモリー)という次世代半導体メモリーに応用する技術が、投資家の注目を集めているようだ。
開発元の米ベンチャー、ナンテロ(Nantero)が第5段階(シリーズE)の資金調達で新たに3150万ドル(約40億円)を調達したと6月2日に発表した。これで同社の調達総額は7800万ドルにのぼる。同社は将来、フラッシュメモリーやDRAM、SRAMを置き換えられる技術としているが、まだ半導体メーカーに対して4メガバイトのサンプルチップを出荷している段階。炭素系ナノ材料の代表格であるCNTを応用した半導体チップが、近く日の目をみることになるのだろうか。
CNTそのものは炭素結晶の並び方によって、金属性のものと半導体性のものがある。電荷の移動が高速なことから、シリコンに代わる次世代の半導体材料としても期待されている。
ナンテロでは、CNTを積層させて薄膜を作り、その薄膜に電極を介していったん電圧をかけると、隣り合うCNT分子の間に働く引力でCNT同士が物理的にくっついたままになったり、あるいはくっついていたのが離れたままになる現象を利用。くっついた場合の電気抵抗の状態を「0」、離れている場合を「1」とすることで、電圧を常にかけなくとも情報が消えることなく、不揮発の状態でデジタルデータを記憶しておける。
同社によれば、トランジスタとCNT薄膜を組み合わせて作ったNRAMは、スマートフォンなどに幅広く使用されているNANDフラッシュメモリーに比べ、読み書き速度が数百倍速いという。さらにスタンバイモードの消費電力ゼロ、書き込みではNANDに比べて160分の1のエネルギーしか必要としない、スケール化しやすくテラビット台の記憶容量が可能、現在主流のCMOS(相補型金属酸化膜半導体)のラインを使って製造できる−−などさまざま利点を強調している。
ただし、同社自らが半導体を生産・供給するのではない。研究開発型の企業で、特許のライセンスで収益を上げる。すでに10を超える半導体メーカーやファウンドリー(受託製造企業)、エレクトロニクスメーカーに特許をライセンスし、中には航空・防衛大手ロッキード・マーティンへの技術供与もある。米国内で175以上の特許を取得し、200以上が申請中という。
開発元の米ベンチャー、ナンテロ(Nantero)が第5段階(シリーズE)の資金調達で新たに3150万ドル(約40億円)を調達したと6月2日に発表した。これで同社の調達総額は7800万ドルにのぼる。同社は将来、フラッシュメモリーやDRAM、SRAMを置き換えられる技術としているが、まだ半導体メーカーに対して4メガバイトのサンプルチップを出荷している段階。炭素系ナノ材料の代表格であるCNTを応用した半導体チップが、近く日の目をみることになるのだろうか。
CNTそのものは炭素結晶の並び方によって、金属性のものと半導体性のものがある。電荷の移動が高速なことから、シリコンに代わる次世代の半導体材料としても期待されている。
ナンテロでは、CNTを積層させて薄膜を作り、その薄膜に電極を介していったん電圧をかけると、隣り合うCNT分子の間に働く引力でCNT同士が物理的にくっついたままになったり、あるいはくっついていたのが離れたままになる現象を利用。くっついた場合の電気抵抗の状態を「0」、離れている場合を「1」とすることで、電圧を常にかけなくとも情報が消えることなく、不揮発の状態でデジタルデータを記憶しておける。
同社によれば、トランジスタとCNT薄膜を組み合わせて作ったNRAMは、スマートフォンなどに幅広く使用されているNANDフラッシュメモリーに比べ、読み書き速度が数百倍速いという。さらにスタンバイモードの消費電力ゼロ、書き込みではNANDに比べて160分の1のエネルギーしか必要としない、スケール化しやすくテラビット台の記憶容量が可能、現在主流のCMOS(相補型金属酸化膜半導体)のラインを使って製造できる−−などさまざま利点を強調している。
ただし、同社自らが半導体を生産・供給するのではない。研究開発型の企業で、特許のライセンスで収益を上げる。すでに10を超える半導体メーカーやファウンドリー(受託製造企業)、エレクトロニクスメーカーに特許をライセンスし、中には航空・防衛大手ロッキード・マーティンへの技術供与もある。米国内で175以上の特許を取得し、200以上が申請中という。
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