これもアベノミクス?3月の独CeBIT展に日本企業が続々参戦
AI・VR・IoTで、欧州市場開拓へ
「ライバルSAPの本拠地に乗り込んでいく」
そのほか、IoT向けデータ通信プラットフォームで急成長中のソラコム(東京都港区)は昨年12月の米国市場参入に続き、「セキュアで安価なデータ通信」を、またイスラエル出身の起業家が2011年に日本で創業した日本IQP(東京都港区)はIoTなどのアプリケーション開発が行えるノンプログラミング開発ツールを欧州に広げたい考え。後者はドラッグ&ドロップやクリックなどの簡単な操作で、短期間に開発作業が行え、すでにGEデジタルやIBM、トヨタ自動車、富士通などが導入しています。
「セビットを通して、ライバルSAPの本拠地に乗り込んでいく」。こう言葉に力を込めるのは、大企業向け統合業務パッケージ(ERP)を手がけるワークスアプリケーションズの松本耕喜松本耕喜経営戦略室長。すでに52カ国1200社の納入実績がありますが、今回は顧客の業務を日々学習する最新版のAI型ERP「HUE(ヒュー)」を前面に、AIで巨人SAP相手に果敢に勝負を挑みます。
ドイツメッセの日本でのパートナーとして出展・来場誘致を担う日本能率協会の吉田正理事長も、協力だけでなく、「ジャパン・アズ・ナンバーワンを強烈に印象付けたい」と国際競争の部分を強調することを忘れません。
そもそも、セビットのパートナー国としても過去最大規模の出展となったのは、安倍晋三首相が見本市を表敬訪問することから、政府が民間に働きかけて出展者を募ったという側面が大きい。それでも展示会でビジネスが生まれれば、アベノミクスの立派な成果と言えます。AIやVR、IoT関連の日本の製品・技術で欧州市場を開拓する絶好の機会となるのは間違いないでしょう。
日刊工業新聞電子版2017年2月20日