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コマツに挑む。建機3社トップインタビュー

コマツに挑む。建機3社トップインタビュー

左からキャタピラージャパンのコブラック氏、日立建機の辻本氏、コベルコ建機の楢木氏


キャタピラージャパン・ハリー・コブラック代表取締役


「油圧ショベル、選択肢多様化」

 ―国内の需要の見通しは。
 「(工事全般に情報通信技術を活用する)国土交通省の方針『アイ・コンストラクション』により、建設関係者が技術に関心を持ち始めている。2020年の東京オリンピックに関連する工事も増えてきているようだ」

 ―アイ・コンストラクションが浸透する上で、ICTを導入する敷居を下げることが必要です。
 「(ICT活用が)ゼロの状態からでは、3次元(3D)データのシステムをなかなか導入しないのではないかと考えている。我々は2Dデータのシステムも提供しており、まず、このシステムの価値を体感してもらうことが重要。2Dから3Dのシステムには簡単に移行できる」

 ―現場のICT化をめぐる建機各社の競争が見込まれます。
 「アイ・コンストラクションに沿った工事が拡大するため、担当者が現場を踏まえて提案する。すべての販売店の営業マンを対象にした教育に取り組んでいて、今年も育成への投資を進める。建機などのデモンストレーションも重要。秩父の拠点には建機がそろっていて技術を紹介している」

 ―建機の競争軸をどう考えますか。
 「技術面で差別化する。例えば、油圧ショベルには動作を止めることなく土砂を計測できる技術を導入している。適切な量の土砂をトラックに積み込むことができるため、現場の生産性を高めることにつながる。オペレーターがこの技術による作業状況を確認できるのに加え、オフィスの担当者ともデータを共有できる。油圧ショベルの品ぞろえにより選択肢が多い」

 ―米キャタピラーが世界で進めている事業の再構築による影響はありますか。
 「ここ1年ぐらいは営業体制や技術者への投資を進めてきている。米キャタピラーによる世界の重要な10カ所の市場に、日本も含まれている。また、ブルドーザーの開発チームには日本人の担当者も参加している」
(聞き手=孝志勇輔)
日刊工業新聞2017年1月5日/6日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
日立建機は同分野でH―Eパーツの買収に続き、豪ブラッドケンのTOB(株式公開買い付け)も進めている。買収による相乗効果の創出に向けた事業体制の再構築が課題だ。調達や販売網などで収益力を改善する活動をスムーズに進めて、中長期的に回復が見込まれる鉱山機械の需要に備える必要がある。国内需要が回復する足取りが重いが、国交省のアイ・コンストラクションが両社にとっては追い風だ。コマツはICTの導入に対応する方針を示しており、2017年から本格的な競争が始まる。コベルコ建機とキャタピラーには、国内で活路を見いだすためにICTの需要を開拓することが求められる。 (日刊工業新聞第一産業部・孝志勇輔)

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