中国ファーウェイがIoT本格展開、機器用OSを提供

市場拡大にらみ「IoTインフラ」めぐる動き活発に

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 中国ファーウェイが20日、IoT(モノのインターネット)ビジネスを本格展開するため、家庭や産業分野のさまざまな製品・機器をインターネットで相互接続する新しい基本ソフト(OS)を開発したと発表した。スマートホームやウエアラブル、コネクテッドカーをはじめ、デバイスの開発者向けにオープンかつフリー(無償)の形で提供を始めるという。北京で同日開幕した「ファーウェイ・ネットワーキング会議2015」で発表した。

 IoTをめぐっては、今年に入り、インテルやサムスンがIoTを使ったスマートデバイス向けのプロセッサーを提供する計画を相次ぎ発表。IBMはIoT事業の推進に向けて今後4年間で30億ドルを投資する方針を明らかにした。中国でもネットサービス大手のテンセントが4月にIoT向けのOSを発表するなど、急速な市場拡大をにらんで「IoTインフラ」をめぐる動きが活発化している。

 ファーウェイでは「アジャイル・ネットワーク・アーキテクチャー3.0」にもとづき、デバイスの開発者がスピーディーにIoTデバイスを開発できるソリューションを提供する。うちOSの「LiteOS(ライトOS)」は、スマートフォンなどのモバイル用OSのプログラムの大きさが数ギガバイトもあるのに対し、その名の通り、約10キロバイトと軽量なのが特徴。

 ユーザー側では開発作業を簡素化でき、調整(コンフィギュレーション)も不要。ネットワーク経由で同じLiteOSが入った機器を見つけ、自動で接続するという。さらに、「IoTゲートウェイ」「アジャイルコントローラー」というサービスも提供。ネット接続デバイスの爆発的な増加に伴う無線ネットワークへの負担を減らすことができるとしている。

 調査会社のガートナーによれば、2009年に約9億個とみられていたネットワーク接続デバイスの数は、2020年までにおおよそ260億個に増加する見通しという。ファーウェイでも、2025年までにIoTデバイスが1000億にまで増加すると見ており、通信機器で世界首位という地位を生かし、組み込み用のLiteOSなどで各産業分野のパートナー企業を増やしながら、IoTビジネスのインフラでも主導権を握る戦略のようだ。

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藤元正
モノづくり日本会議実行委員会
委員長

機器への組み込み用リアルタイムOSで約60%の国内トップシェアを誇るのが、最新の「Tカーネル2.0」などトロン系OS。オープンかつフリーで全世界に公開され、自動車のエンジン制御から、携帯電話、デジタルカメラ、小惑星探査機「はやぶさ」などまで幅広い製品・機器に使われ、モノや位置の情報を識別するID番号の「ucode(ユーコード)」とともに、IoTの構成要素として注目されている。IoT分野に参入する企業はまだまだ増えると見られ、半導体チップやOSを含むソフトウエア、関連サービスをめぐる競争が一段と激しくなりそうだ。

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