GEが金属3Dプリント部品をフルに使った小型ジェットエンジン

試験運転で毎分3万3000回転達成

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点火された3Dプリント部品の小型ジェットエンジン(GEアビエーションの動画から)
 3Dプリンターで作り出した金属部品ばかりでできた小型ジェットエンジンを、米GEのエンジニアが試作した。本物の旅客機に搭載するエンジンではなく、長さ30cm、高さ20cmのラジコンの模型飛行機に使われるようなシンプルな構造のエンジンだ。試験運転を行い、毎分3万3000回転(RPM)まで回転数を上げられたという。GEはすでに本物のジェットエンジン部品に3Dプリンターを適用し、航空当局からお墨付きを得ている。将来、フルに3Dプリンターを使った飛行機が空を飛ぶのも夢ではない。

 オハイオ州シンシナティ郊外にあるGEアビエーションの3Dプリンティング研究開発拠点「積層開発センター」で製造された。通常のエンジン部品が大きな金属の塊を削り出して作られるのに対して、金属専用の3Dプリンターを使い、金属粉末の層をレーザーで溶かしながら複雑な立体構造を積み上げていく。このやり方だと、金属の廃棄物の量が少なくて済む。複雑な構造も正確にできるうえ、仕上げ作業は必要だが、使用する工具があまりなく、アイデア段階から直接部品を作り出せる利点があるという。

 GEは3Dプリンターの活用に本格的に取り組んでいる。金属3Dプリンティングで作られ、商用ジェットエンジンGE90に組み込まれるセンサーハウジングは4月、航空当局の米連邦航空局(FAA)に承認された。このエンジンはボーイング777ファミリーに採用されている。

 さらには、次世代モデルであるLEAPジェットエンジンにも金属3Dプリンターを適用。このエンジンはGEアビエーションと仏サフラングループのスネクマが50%ずつ出資するジョイントベンチャー、CFMインターナショナルが開発し、ボーイング737MAXやエアバスA320neoのような新しいナローボディーの旅客機に搭載される。エンジン1基あたり19の3Dプリンター製の燃料ノズルを持ち、飛行テストに入っている。

 3Dプリンティングの量産工場まで新設している。GEアビエーションではLEAPエンジンの燃料ノズルについて、アラバマ州オーバーンの既存工場に3Dプリンター設備を導入。投資額は5000万ドル。2015年から3Dプリンターによる金属部品の製造に入り、年末までに10台の装置を入れるという。将来は50台以上を導入し、30万平方フィートの広さの工場の3分の1ほどが、3Dプリント用になる見通しとしている。

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COMMENT

藤元正
モノづくり日本会議実行委員会
委員長

アップルは日本製の工作機械を大量に導入し、アルミの削り出しでiPhoneのカバーを量産するという荒技を編み出したが、高い精度や耐久性が要求される航空エンジン部品にいち早く3Dプリンターを導入したGEの英断にも驚く。製造装置はともかく、製造プロセスで米国企業が先端を行く代表例といえる。

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