ニュースイッチ

構造改革中のウシオ電機、得意の光学技術で「半導体」成長なるか

インタビュー/ウシオ電機社長・朝日崇文氏
構造改革中のウシオ電機、得意の光学技術で「半導体」成長なるか

ウシオ電機社長・朝日崇文氏

先進パッケージ協業加速

構造改革を断行中のウシオ電機。収益性の低い事業の見直しに加え、成長領域として位置付けるのが半導体分野だ。複数の半導体を一つに集積する「チップレット」などがAI(人工知能)デバイスを中心に浸透している。こうした中、ウシオ電機は得意の光学技術を生かし、チップレット向けに露光装置の複数ラインアップをそろえ、攻勢をかける。今後の事業展開を朝日崇文社長に聞いた。

―2026年度までをポートフォリオの入れ替え時期に位置付けます。
「利益を底上げした上で将来の成長に向けて基盤を作る。ウシオ電機は資本効率が課題であるため、適切な企業サイズに持っていくことが最初のシナリオだ。セグメントを細かく区切った上でスピンアウトなども検討する」

―そうした中、成長領域には半導体分野を据えます。
「狙いはアドバンスドパッケージ(先進パッケージ)だ。特に米アプライドマテリアルズと開発するデジタルリソグラフィー(DLT)装置は次世代の大型基板などにも対応できる点がメリットになる。25年後半から26年には実際の導入が始まるだろう。また、ダイレクトイメージング(DI)やステッパーでも製品をそろえることで、先進パッケージの需要に幅広く対応していく」

―一方、極端紫外線(EUV)マスク検査光源では競合他社の台頭もあり、競争が激しくなっています。
「既にインストールしている部分はサービス収益として売り上げが立つ。一方、次世代の高NA(開口数)EUV向けは研究開発を進めているが、スペックの作り込みは顧客とのコミュニケーションを図り、慎重にやっていく必要がある。リソース配分の最適化の観点から、用途をより絞っていく形になる」

―26年度までに400億円以上の投資を計画します。
「半導体中心に考えている。アプライドマテリアルズと協業するDLT装置のほか、先進パッケージは積極的に行う。光源でも検査や計測以外のアプリケーションも模索する。半導体で言えば、ランプについてもより事業を強固にするために、M&A(合併・買収)を含めた協業を柔軟に検討していきたい」

【記者の目/TSMCへの導入カギ】
 半導体露光装置向けなどの光源でシェアを持つ。アップダウンはありながら成長を続ける半導体業界。露光装置のサプライヤーから先進パッケージの分野において、装置のメーンプレーヤーへの「変身」を狙う。最大の焦点は半導体業界の雄、台湾積体電路製造(TSMC)への導入を進められるかにかかっている。(小林健人)

【インタビュー -経営陣 戦略を語る】はこちら
トランプ米政権の関税政策や金利の高止まりなど市場環境の不透明感が世界的に広がっています。そうした中、日刊工業新聞は自動車・機械・電機・素材など業界各社の経営陣に随時、事業環境の認識やこれからの戦略などを聞いています。注目のインタビューをまとめました。
日刊工業新聞 2025年05月21日

編集部のおすすめ