塗料3社の通期見通し、全社が増収営業増益…米関税の影響は?
M&A連結効果も
総合塗料3社の2026年3月期(日本ペイントホールディングス〈HD〉は25年12月期)連結業績予想は、全社が増収営業増益を見込む。工業用や建築用塗料などの需要は堅調で、M&A(合併・買収)した企業の連結効果が業績を押し上げる。日系自動車メーカーの生産台数減少の影響はしばらく続く想定だが、全体としては底堅く推移しそうだ。
日本ペイントHDの25年1―3月期は強みの建築用を中心に販売量が増加。主力のアジア事業は、経済環境が厳しい中国でも現地自動車メーカーへの拡販が奏功し、マレーシアやシンガポールなども好調だった。3月に買収が完了した米化学企業も業績に寄与した。若月雄一郎共同社長は「米国で期待された利上げも進まず需要は若干低迷したものの、高いマージンは維持できている。十分な利益貢献を見込むことに変更はない」と説明。25年12月期連結業績予想は4月に上方修正した数値を据え置いた。
関西ペイントの26年3月期は日系自動車メーカーの生産台数減の影響が続くアジア、為替影響などを織り込む北米が軟調なものの、インドの工業用やアフリカの建築用需要を捉える。欧州は、24年5月に買収完了した企業が連結に全面寄与し、市況が厳しい中でも営業利益が改善する見通しだ。成長市場のインドでは工業用を大きく伸ばす計画で、毛利訓士社長は「M&Aについても継続して検討している」と意欲を示す。
大日本塗料も日系自動車メーカーの苦境は続くと見て、海外塗料事業は外資メーカーとの取引増加に注力する。国内事業は25年3月に子会社化した神東塗料の連結化が業績を底上げし、原料調達で即効性のシナジーを見込む。里隆幸社長は「各事業領域における現場レベルでのやりとりも始まっている」と明かし、統合効果を早期に創出していく。
一方、米国の関税政策の影響は、地産地消が進んでいることなどから現時点では各社限定的との見方が多い。原材料メーカーの動向や自動車用の顧客の生産動向に注意を払う必要がある。
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