アマダ・アイダエンジ・コマツ…鍛圧機械3社の通期見通し、米関税が利益押し下げも全社増収の要因
鍛圧機械3社は2026年3月期連結業績予想で全社が増収を見通す。豊富な受注残が下支えし、製造回帰が進む米国などで堅調な受注を見込む。一方、利益面では為替の円高が逆風となり、トランプ米政権の関税措置も一定程度利益を押し下げるとみる。ただ買収が業績を押し上げる見通しで、不透明な市況の中で成長を目指す。
「トランプ関税の影響で設備投資が様子見モードになってしまった」。アイダエンジニアリングの鵜川裕光常務執行役員は25年1―3月期の受注高が前年同期比47・4%減少した背景をこう指摘する。一方で米国関税の影響は一時的とみて、前期比15・0%増の720億円を見込む26年3月期の受注高予想にはほぼ織り込まなかった。その要因について鈴木利彦社長は「米国の生産は増加傾向にあり、(プレス機の)レトロフィットから始めて生産効率を上げ、それでも足りない場合は設備投下していくような動きがある」としている。
売上高ではアマダは米国関税による5%程度の下振れリスクを織り込むが、高水準の受注残などから同2・1%増の4050億円と過去最高を予想。コマツ産機(金沢市)は自動車産業向け大型プレス機の増加などで同15・4%増の663億円を見込む。アイダエンジは同2・6%増の780億円を予想。うちプレス機の売上高で540億円を見込み、「その90%近くは受注残からあがる」(鵜川常務執行役員)計画だ。
営業利益では為替の円高が利益を圧迫する。アマダとアイダエンジは共に26年3月期の想定為替レートを1ドル=140円(前期は同約153円)に設定。他の通貨を含めた為替影響はアマダが60億円、アイダは2億5000万円それぞれ利益を押し下げるとみる。
米国関税の影響では10%の相互関税が1年間適用された場合、現地生産比率が約5割のアマダは約25億円利益を押し下げると試算。関税の上昇分は原則販売価格に転嫁する方針で、山梨貴昭社長は現状の感触から「8割程度を補える」とみる。アイダエンジは米国向けプレス機をマレーシアや日本から、現地生産機の一部部品を米国外から輸入しており、1億5000万円の利益押し下げを織り込む。
ただ米国には板金加工機の現地メーカーはなく、プレス機の現地メーカーも一部に限られ、鍛圧機械を輸入に頼る構造という。アイダエンジの鵜川常務執行役員は「現地生産している分、他社と比べ競争力が高く、価格転嫁しやすい状況にあるのではないか」との見方を示す。
買収も業績を押し上げる。アマダは5月に連結子会社化したエイチアンドエフ(福井県あわら市)が売上高を225億円、営業利益を10億円それぞれ押し上げると予想。アイダエンジも4月に自動化装置を手がける米HMSプロダクツを買収し、営業利益を1億円程度押し上げるとみる。アマダは7月に半導体関連基板の加工機を手がけるビアメカニクス(神奈川県厚木市)の買収も予定。同社を完全子会社化した影響を踏まえた業績予想を25年4―9月期までに見直す予定で、収益の上振れが見込まれる。
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