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アイシン・中央発條・豊田合成…車部品メーカーが磨く、クルマの走り変える技術

アイシン・中央発條・豊田合成…車部品メーカーが磨く、クルマの走り変える技術

ジェイテクトの「コラム同軸操舵アクチュエーター」。小規模の改造で既存車両に後付けできる

自動車部品各社が車の走行安定性や操舵(そうだ)性を高める技術を磨いている。安全運転の実現をはじめ、快適性や走る楽しさ向上といったさまざまな観点からハイレベルな走行性能が求められる。23日までパシフィコ横浜(横浜市西区)で開かれた自動車技術の展示会「人とくるまのテクノロジー展2025 YOKOHAMA」でも各社の技術が披露された。(名古屋・増田晴香)

アイシンは同社が手がける各種デバイスの統合制御に挑み、安全・安心な走行や電費・燃費性能の向上に寄与する。ステアリングシステムや回生協調ブレーキ、サスペンション、電動駆動装置「イーアクスル」などの各センシング情報を活用。地図情報やカメラから取得したリアルタイムの路面状況に応じて、例えばカーブの手前で自動減速するなど最適な車両制御を提供する。2030年ごろの実用化を目指す。

運輸業界のドライバー不足や高齢化の課題に対し、ジェイテクトは商用車向け「コラム同軸操舵アクチュエーター」を開発した。小規模の改造で既存車両に後付けが可能で、車線維持や緊急回避などの運転支援機能を追加できる。右左折時にはハンドル操作をモーターでアシストするなど、乗用車レベルの操舵感でドライバーの負担を軽減し、安全性も高める。

また「自動運転も既存車両へのアドオンで可能になる」(ジェイテクト)とし、大阪・関西万博のシャトルバスの自動運転にも採用されているという。

中央発條は分離・接続を簡単に切り替え可能な新型スタビライザー「ODDS」が好調だ。スタビライザーは左右のタイヤのサスペンションをつなぎ、コーナリング時に遠心力により発生する傾きを抑えて車体を安定させて走行性能を確保する。一方、オフロードでは分離することでサスペンションの動きを制限せず、走破性を確保できる。

従来はオフロード走行時にスタビライザーを外す手間がかかっていた。25年夏にも藤岡工場(愛知県豊田市)の製造ラインを増設し生産能力を5割増やす計画。ODDSは今後「コンパクト化などによる採用車種の拡大やアフター市場向け製品も検討している」(林大介商品企画管理室長)という。

電気信号でタイヤの角度を制御する「ステアバイワイヤ」の本格普及が見込まれる中、同技術向けの新たなハンドルも開発されている。旋回時に小さなハンドルの回転量で操作が可能で、大きく回す必要がないため従来の円形から航空機の操縦かんのような形にできる。

豊田合成トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」の電気自動車(EV)「RZ」に搭載されたハンドルを披露。石川卓技監は「違和感なく安心して使えるように、さまざまな形状を試した」とし、ユーザー体験(UX)を重視した形状を模索したことを明かす。ハンドル保持状態を検知するセンサーを異形でも搭載するため試行錯誤を重ねた。

豊田合成の「ステアバイワイヤシステム用ステアリングホイール」。形状について試行錯誤を重ねた

東海理化もステアバイワイヤのハンドル向けにスイッチを開発中だ。試作品はモジュール全体の小型化のため、ハンドルの根元にあったコラムレバースイッチをハンドルに一体化した。

ウインカーを出す時やワイパーを使用する際に、従来のレバーに近い感覚で扱える上下操作のスイッチを採用した。自動運転にも欠かせないステアバイワイヤシステムへのスムーズな移行を支える。


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日刊工業新聞 2025年5月23日

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