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エンタメ強化・eスポーツ拠点…阪神・南海、関西私鉄が展開する新規事業の勝算

エンタメ強化・eスポーツ拠点…阪神・南海、関西私鉄が展開する新規事業の勝算

24年に大阪市に開設した相撲エンターテインメントショーホール「THE SUMO HALL日楽座OSAKA」

関西の私鉄が新規事業に力を入れている。阪神電気鉄道はインバウンド(訪日外国人)向けの施設を開設するなどエンターテインメント事業を強化し、南海電気鉄道はeスポーツの拠点を拡大するなど沿線活性化に取り組む。本業の鉄道事業が人口減で大きな成長が見込みにくい中、沿線地域を中心に魅力を高めることで、持続的な成長につなげる。

阪神電鉄は1年前から外国人向け相撲エンターテインメントショーホール「THE SUMO HALL日楽座OSAKA」を大阪・難波地区で展開している。甲子園球場でのイベントや音楽ライブハウスの運営などエンターテインメント事業のノウハウを持つ子会社の阪神コンテンツリンク(大阪市福島区)が、インバウンドの集客を狙って2024年5月に開業。オープンから約5カ月で約80カ国・地域から1万人が訪れた。同社では夜のエンタメ事業として大阪以外でも検討する。相撲ショーでは現場担当者からインド公演の提案があり、初の海外公演も実現している。

eスポーツ事業施設「eスタジアム」

阪神電鉄では沿線活性化に向け、現場からの提案制度を設けている。これまで鉄道高架下にバスケットボールコートやペット向け施設を開設するといった提案が出ており、事業化を検討している。久須勇介社長は「富裕層やシニア層などもターゲットに、突拍子のない領域ではなく既存事業のフリンジ(周辺)で阪神らしさを実現する」と話す。

南海電鉄は3月、和歌山市内にeスポーツのスタジアムを開設した。同社のeスポーツ事業では9拠点目となる。同事業では地元企業や自治体と連携した施設運営、イベント開催を展開しており、24年度の営業収益は前年度比20%増の2億5000万円。大阪市と福岡市の施設が競技ホビー「ベイブレードシリーズ」の公認店になるなど事業は拡大基調。25年度の営業収益は4億円を見込んでおり、「未来探索事業として注力する部門に位置付ける」と、大塚貴裕取締役常務執行役員は期待をかける。

日刊工業新聞 2025年5月23日

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