あなたの“脚年齢”は大丈夫?「ロコモ」対策広がる

“脚年齢”気軽に計測。アルケア、国内で数千人規模の筋力値データ収集

 アルケアが開発した下肢運動機能測定装置「ロコモスキャン」の利用が広がっている。同装置は筋力を数値測定するだけではなく、その情報をビッグデータとして活用することで、“脚年齢”なども調べられるようにした。下肢の運動機能を定量評価し、年代や性別ごとの平均値と比較分析できる機器はこれまでなかった。今後さらにデータ活用を加速し、一人ひとりに適した運動メニューなども解析できるようにする。

 超高齢社会に突入する日本では、運動器の障害によって要介護・要支援のリスクが高まるロコモティブシンドローム(ロコモ)が大きな課題になっている。健康寿命を延伸し、高齢者が生活の質(QOL)を高めるには運動機能の維持・向上が何より重要だ。アルケアはロコモ対策として運動機能を定量的に測定するニーズが高まると判断し、ロコモスキャンを実用化した。

 ロコモスキャンは下肢筋力を数値(ニュートン単位)で自動測定できる。これまでは運動指導時の目標設定や運動療法の成果確認などリハビリテーションの現場で使われることが多かったが、「ロコモ対策のニーズが高まり、病院や人間ドック、健診施設からも引き合いがでてきた」(関良一アルケアヘルスケア事業部長)。

ビッグデータ分析でセルフケアにも


 そこでアルケアはビッグデータ分析によって測定機能を充実し、ロコモスキャンの利用先を広げる。

 既にアルケアは国内で数千人規模の筋力値データを収集。そのデータを活用し、ロコモスキャン測定者が自身の筋力値(体重比)を20―89歳までの平均分布と照合できるようにした。測定者は現在の筋力値が何歳に相当するかなど“脚年齢”が簡単に分かる。実年齢と乖離(かいり)していることを数値でみせることは、セルフケアを促すことにもつながる。

 ビッグデータを活用することで、個人ごとの運動メニューの策定も可能になる。アルケアは現在、測定データ分析ソフトを開発中で、今夏には新システムの提供を始める。新システムはロコモスキャンとロコモ度テスト用器材を使い、測定・テスト結果から個人に必要な運動メニューなどを自動解析する。

自治体も調剤薬局とも連携


 自治体が健康増進事業としてロコモ対策を講じるケースが増えている。関アルケアヘルスケア事業部長は、「人間ドック施設がメニューにロコモ検査を加える事例もある」とし、新システムでそれらの需要を取り込んでいく。

 調剤薬局チェーン大手とも提携の準備を進める。調剤薬局がシステムを導入すれば利用者は店頭でロコモ度テストと運動指導を簡単に受けられるようになる。

 神奈川県大磯町では、アルケアと東海大学が参画し、町の特定健康診査(集団健診)でロコモを診る取り組みが始まった。ロコモスキャンなどを使い町民の運動機能を評価し、データ解析によって受診者の状態にあった運動処方を実施する。4カ年計画でロコモとメタボリック症候群の関連性や医療費の変化、個人の運動指導効果なども検証していく。

日刊工業新聞2016年4月25日
日刊工業新聞電子版

村上 毅

村上 毅
04月26日
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健康で日常生活を楽しく過ごせる「健康寿命」を長く保つためには、実は脚の筋力が重要。「脚年齢」を明らかにすることは、意識の啓発に手っ取り早い。よし、明日はいっぱい歩こう!

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