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熱伝導・放出性能を向上…古河電子が開発、窒化アルミセラ基板の実力

古河機械金属グループの古河電子(福島県いわき市、玉利健一郎社長)は、高熱伝導率の窒化アルミニウムセラミックス基板を開発し発売した。半導体製造装置や通信機器、レーザー素子などで使用される放熱絶縁部材として、熱伝導率250ワット/メートルケルビンを実現した。

同社はこれまで四つのグレードを提供してきたが、原料の調製や焼成条件を最適化することで、従来の限界であった230ワット/メートルケルビンを超え、250ワット/メートルケルビンを達成した。同グレードは、レーザーダイオードや高出力発光ダイオード(LED)のサブマウント用や電子冷熱に使われるペルチェ素子用として利用が見込まれる。

窒化アルミセラミックスは熱伝導性が高く、電気を通さない絶縁性を併せ持つ高機能なファインセラミックス。電子機器内部に発生した熱を外部に放熱することで、動作の異常などを防ぐ。電子機器の高性能化や高集積化に伴い、需要が拡大している。

同部材の製造はいわき工場(福島県いわき市)に第2拠点を立ち上げ、2023年度に生産能力を1・6倍に増強した。

日刊工業新聞 2024年9月26日

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