「絶対商機」 ゼッタイ逃さない!

経産省、東京五輪へ官民協力組織創設

2020年に向けた各省庁の主な取り組み
 経済産業省は2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた産業界との協力体制を築く。20年以降の日本社会を見据えた戦略を検討する有識者会議を7月に立ち上げるほか、省内に専門組織を設置する。世界最大級の競技大会は確実に海外から観光客が大挙押し寄せ、国内の消費・投資意欲も刺激する“絶対商機”。すでに大手企業を中心に専門部署を設置する動きが出ており、官民挙げて一大イベントを契機とした新たな国づくりを目指す。

 経産省は27日開催の産業構造審議会(経産相の諮問機関)総会で「2020未来開拓部会(仮称)」の設置案を提示する。部会では政府方針の下で福島復興を最優先に、サイバーセキュリティーや電力安定供給、廃炉・汚染水対策、知的財産保護というあらゆる“安心・安全”を実現する施策を議論する。また、経済活性化に向けて「モビリティ」「スマートコミュニティ」「ショーケース」「ストレスフリー」「インベストメント」などのプロジェクトを実行する。例えば、「モビリティ」のプロジェクトでは自動走行技術の実用化やカーシェア、配車サービスなどを検討する。

 部会は7月に初会合を予定。その後は数回開催して、15年度末までに戦略をとりまとめる。経産省は7月をめどに「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室(仮称)」を新設する。同室が省内の各部局の施策をとりまとめて、他の府省庁との調整役を担う。

 一方、民間では経団連など経済3団体が中心となった「オリンピック・パラリンピック等経済界協議会(豊田章男会長=トヨタ自動車社長)」が3月に発足した。20年の巨大なビジネスチャンスを狙って具体的な戦略の検討を始めた企業も少なくない。また、全国の地方自治体も無関係ではない。大会に参加する各国競技チームの事前合宿を招致したい市町村の動きが水面下で本格化していると言われる。

 産学官の利害関係者がますます増えていく中で、日本全体で活動の重複を防いで補完し合う連携の仕組みが求められそうだ。

2015年04月28日

COMMENT

斉藤陽一
ニュースセンター
デスク

 記事の最後でも少し触れていますが、今後懸念されるのは「有識者会議」「推進会議」「懇談会」といった類の組織が、省庁や自治体、産業界ごとにあまりにも乱造されること。もちろん必要な組織もあるでしょうが、「船頭多くして、船、山に登る」といった事態になってしまっては、取れるべき商機も逃してしまいかねません。今回の経産省の有識者会議が産学官の利害調整役として機能することになるのか。注目です。

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